自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2011/04/23

起きて立ち上がれ、生きる権利のために

先日の読売新聞の世論調査で「現状(の基数)を維持すべきだ」が46% という結果が報じられていました。質問のアタマには「現在、日本の電力の3割近くは原子力発電によるものです」という前ふりがあり、また、被災した福島・岩手・宮城3県が調査対象から外されていたというウラがあったようですが(これ出して多数論証で「やっぱりそっちが正しいのか」と思わせるつもりなんでしょうか)。それにしても「うわー」です。約5割の衝撃。周りにエネルギー問題に積極的に動いているひとたちが多くいるので、ムーブメントの膨らみを感じていたのに、わたしは井の中の蛙だったのでしょうか。この大事故で public awareness campaign(国民意識をあげる、問題点を知ってもらう「きっかけ」をつくる運動)はもうスキップして次のレベルにきたと少し甘く見ていたかもしれません。 また、Twitter で企画されている原発の推進/廃止のオンライン国民投票は、今現在 9300人くらいが縮小・全廃を支持で、470人くらいが維持・推進なのだけど、推進の方々のコメントを見るとギャグ(?)なんかな、と思ってしまう。何に関しても相反する意見は存在するものだけども。

世の中には様々な問題を扱っている NGO や市民団体があります。営利団体でない場合は運動をサポートする個人や(時に企業)の寄付で成り立っていたり、小さい団体ならそれこそ活動する人の懐から活動費を工面しています。今回の原発問題にしても前にもお話したとおり、数多くの様々な団体があり、微妙に異なる立場やメッセージで活動していますが、願うところはひとつ「原子力のない日本(世界)」です。いま、それらの団体がそれぞれの得意分野を活かして役割分担をして、ゴールに向けていっしょに動くことが近道にもなり、そのうえ次のあり方(自然エネルギーベースの電力供給)まで進める唯一の方法。実際現在そのような動きになりつつあります。市民の声を集約する場所をつくり、とりまとめる団体もいれば、政策提言や議員向けセミナーを開いたりという団体もいる。前者の方がわたしたち個人が関わりやすい部分。ひとりひとりが毎日の暮らしの中でできる限りのことをやり、やり方がわからないときはやり方がわかるひとに教わればいいし、みんなが集まってやれば心強い。今は様々な有識者がネットでフィルターなしの発信をしているので、マス(メディア)に頼らず、そこからの情報を精査して、自分に合った市民団体の活動に乗っかれるときは一緒にやる。新しい団体やプラットホームもここ数週間でいくつも立ち上がってきていて、自然エネルギーへのシフトについての講演会やイベント(デモ/パレード)なども多く催されています。乗っかる場所が増えたということです。

これまでに出た良質な記事 and マストなサイトの一部をリンクします:
(国内メディアではあまり見ない被災地の様子が記録されています)

4番目の衆議院議員・
河野太郎さんの話も興味深し。彼は自民党にいながらエネルギー政策の転換をずっと訴えてきて、原発事故後も脱原発路線のアドボカシーを積極的にされています。とても貴重な存在。彼のTwitter のフォローやブログのアクセス数ものすごい勢いで増えているとのこと。対談の中でも言われていた「自民党内にも政策転換に向かおうとする動き(議員)はある」というような個所で思い出したのですが、原子力ムラ内にも経産省内にも、そして東京電力内にも「原子力依存、原子力大優遇の政策の動きを変えたい」という改革派が存在するというのを様々なところから聞きました。反原発を内に秘め「自分があっち(政府機関側)に入らなかったらもっと大変なことになる」と、あえて相対する側に務めているという研究者さんがいるという話も聞きました。その人たちも、今どんなに悔しいか。どうにか内側からの改革が進むように手伝えないものか

わたしは一日の中で一度は自分の非力さに沈むことがあるし、原発事故が起きてしばらくはおののくと同時にできることが見えずに「どうしよう、何かしないと、でも何をすればいいんだ!」と、鼻息荒く大慌てでアドレナリンもムダに大放出でした。友人で活動家の
かずえさんが「整理すれば焦りはへるよ」とわざわざつくってくれた 8 steps を書き出してみたり、このブログで考えをまとめてみたり、自分が得意な分野で行動する(デザインでできること - 難しいことを易しく伝える)のを具体化したりして、
今はだいぶ自分の役割が段々わかってきて、落ち着いてきた気がします。

 「なんかせなあかん!」と焦ったときの 8 steps
 1. 大目標を立てる
 (例:日本のエネルギー政策の自然エネルギーへのシフト)
 2. 大目標につながる小目標をたてる
 (例:自分の自治体を自然エネルギー王国に)
 3. やりたいことを一行づつ書く
 4. やりたいことのうち、小目標達成にあまり関係ないものはよける
 (でも削除はせず)
 5. やりたいことのうち、小目標達成に繋がる強さが強い順に並べる
 6. やりたいことのうち、自分でできないものはよける
 (でも削除はせず)
 7. 自分でできるものが残るから、その中で自分がやりたいと強く
  思うもの、自分ならこれは得意だなと思うものを実行する
 8. やりたいし、目標達成にも強く繋がるのに、自分ではできない
  ものを他の人にふる。
 (Twitter などでまったくの他人にふるのも可)

あの、あの今もっとも頼もしくてすてきな孫正義さんですら「己の非力さが歯がゆい」とツィートしたとか。孫さんが非力ならわたしはどんだけ無力かとも思うけれど、みんなそれぞれのレベルで悩みながら立ち上がっているんですよね。わたしも結局いろいろと巡っては「自分が動くことでしか不安は解消されない」と、終いにはポジティブに戻る毎日です。


「起きて立ち上がれ、生きる権利のために
 起きて立ち上がれ、たたかいをあきらめるな」
- Bob Marley "Get up Stand up"

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