ビジュアルメッセージの話でもうひとつ(あまりに自分に近い話ですっかり忘れてた・・・)震災のひと月くらい前に環境NGOグリーンピースのエネルギー問題のリーフレット「でんきのほんと・でんきのこれから」の制作をしました。ひとことで内容を言うと「石炭火力は地球温暖化によくないね、でも原発はクリーンエネルギーで CO2を出さないとか大宣伝されているけど本当は温暖化抑止にならないし、コストもかかるし危ないから段階的に廃止しようね、自然エネルギーとエネルギー効率化(ムダを減らす)を進めたら原発なしでも電気をまかなえるから、エネルギー政策をそっちに変えるように声をあげましょー」というもの。原発事故の数日前に刷り上がり、あまりのタイミングにぞくっとしました。以前の仕事で青森県六ヶ所村の再処理工場に調査に行ったり、MOX燃料が海上輸送されて来たときに福井県の敦賀や高浜の原発に行ったり、現場に赴いて問題を知る機会がありました。世界に、日本に、様々な環境問題があって優先順位をつけられるものではないけれど、いろいろと関わった中で個人的にはエネルギー(原発)の問題が一番ゆゆしき事態だと感じていました。デザインの仕事を始めたのも「問題を解決するために、多くの人に一歩踏み込んで知ってもらって、立ち上がってもらうにはデザインの力を借りるしかない!自分でアプローチを探っていこ」というのが根幹にありました。一昨年、エナジーオセロというポジティブエネルギー(白い石に自然エネルギー)とネガティブエネルギー(黒い石に火力や原発)をテーマにした作品をパーソナルなプロジェクトとしてつくって展示させてもらったりしていましたが、NGO と一緒に仕事をするのは数年ブランクがありました。今年に入り、久々にコンテンツから携わるリーフレット制作の話が突然来て、つくって、やっぱ原発あかんなーと頷いていたとこにこれ(原発事故)です・・・短絡的かもしれませんが、こりゃ運命かな、と。この問題を解決させるために、ハチドリと言われようと、再び積極的に運動に関わり、できる限りのことをやろうと決めました(原発事故後、ハチドリが以前より増殖していて頼もしいです)。
この「でんきのほんと・でんきのこれから」リーフレットと同時に、もうひとつ「でんきをえらぶ・選挙でえらぶ」という往復はがき仕様のキャンペーンはがきもつくりました(現物をご希望の方は送付できます)。これは来る 4/10, 24 の統一地方選挙に向けて、候補者に「あなたのエネルギー政策についての考えは?」と3択で尋ねて答えを返送してもらい、投票の参考にするはがきです。原発事故の後、他でも同様のキャンペーンが所々でスタートして、エネルギー政策が選挙の争点になりました。結果を一覧にまとめているサイトも発見。地方から変化が見られてくることを期待します(そのためにみなさま、絶対選挙に行ってください!)。国が一気に変わらなくても、ひとりが変わり、地域が変わり、地方が変われば国が変わります。このキャンペーンはがきもリーフレットも嬉しいかな悲しいかな反響が大きく、もちろんこんなことが起こると思っていなかったため、事故前刷ったものはすぐにはけて、至急大増刷を行ったようです。


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