文部科学省は20日に「福島県内の小中学校などで屋外活動を制限する放射線量の暫定基準を、年間20mSv(ミリシーベルト)に定めると記者発表を行ないました。年間 20mSv は国際的基準の中でも最も高く、原発の作業員の方々と同じレベルということで、「子どもの基準として適さず、根拠も不明」と市民団体が呼びかけて数値を撤回するよう交渉。その録画をわたしも見ましたが、問いつめられた文科省の役人と原子力安全委員会などの出席者は、20mSv が放射線管理区域よりはるかに上回るレベルであることなどを知らず、判断基準があいまいで、福島の現状をまったく理解していないことがわかりました。また、この 20mSv には食べ物や塵などによる内部被爆は含まれていないことも判明。法的整合性(放射線管理区域の線量レベルは年間 5 mSv で、労働基準法で 18歳以下が働いてはいけないなど)も認識していなかったという・・・出る言葉なし。抗議に上京されてきた福島のお母さん方は激怒で震えていました。この件についての決定撤回を求めるオンライン署名が行なわれています。また、2週間ほど前に比較的原発に近い福島県内の避難所に物資を届けた方から聞いた話ですが「現地では子どもたちへのマスク着用はまったく徹底されていなかった。現場の担当者が放射線量を計測していると言っていたが、地上から1m上くらいの空間線量で、子どもが動き回る高さに近い地面ではおそらく 10倍以上の数値が予想される(放射能は塵や土に蓄積されるため)」と言っていました。「放射性物質はまったく目に見えない、匂いもない、自分が被爆してもその徴候はすぐにはない・・・放射能の何が怖いかがわかった」とも。大人がこうなのです。子どもにそれを教えることはどんなに難しいか。

と、いうことで明日(もう今日になっちった)の「エネルギーシフトパレード」は代々木公園から2時スタート!いくつかのグループに分かれての出発になります。その最初の隊列が子連れのグループ!(子どもは集合から出発まで長いこと待てないという配慮から)その他様々なグループがあってどこに参加するも自由!楽しくなりそうです。
最後に、母強しの話をもひとつだけ。昔、ラアーグ再処理工場(フランス)の近くに暮らす「怒れる母たちの会」というグループを招いて、六ヶ所再処理工場の危険性を訴える講演の催しに関わったことがありました。「子どもの健康が原子力産業によって侵されることは耐え難い!」と、学校教育や教師の間で原子力問題の議論を喚起したり、政府に働きかけたり、積極的に活動をされている普通のお母さんたちの集まりで、とてもパワフルでした。その名のとおり、母たちは怒っているのです。日本でも。自分が母親になって初めてわかりましたが、子どもの寿命が削られるなら自分のを削ってあてがいたいというくらい、子どもの健康を守りたいと強く思っている。日本でだって母親たちは意思を持ち、怒っているけど、うまい解決方法や意思表示の手段を見つけることができていないのだと思います。その層が動き始めたら本当に強いと思う。それにその層が無理なく活動/意思表示できるようなアイデアも必要です。まだリサーチ不足でオフィシャルな団体として立ち上がっている母の会はあまり確認できていないのですが、日本でも「5年後、10年後こどもが健やかに育つ会」という関東圏の普通のお母さんたちの繋がりができたらしく、行政などに働きかけを行なっているそうです。歴史としても昔から母の会は多くありました。今ももっと存在するはず。 この放射能汚染によって、母や妊婦さんに限らず、これから子どもを産みたいという女性たちにとっても安心して産めない環境になってしまいました。エネルギー問題は国の少子化にも関わるばかりか、何よりそういった個人の人生の選択にも影響を与えてしまっていると思います。母のみならずすべての女性たち、もっと怒ってよいのです。
「女性の直感は、しばしば男性の高慢な知識の自負を凌ぐ」
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