自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2011/04/23

「スイミー」にまなぶ

(『スイミー』レオ・レオニ/訳 , 谷川俊太郎 より抜粋)


そのとき いわかげに スイミーはみつけた。
スイミーのと そっくりの ちいさな さかなの きょうだいたち。
「でてこいよ みんなであそぼう。おもしろいものが
いっぱいだよ!」
「だめだよ。」ちいさな あかい さかなたちは こたえた。
「おおきな さかなに たべられて しまうよ。」
「だけど いつまでも そこに じっとしてるわけにはいかないよ。
なんとか かんがえなくっちゃ。」

スイミーはかんがえた。いろいろかんがえた。うんとかんがえた。
それから とつぜん スイミーはさけんだ。「そうだ!」
「みんな いっしょに およぐんだ。
うみでいちばん おおきな さかなのふりして!」

スイミーはおしえた。けっして はなればなれに ならないこと。
みんな もちばを まもること。

みんなが いっぴきの おおきな さかなみたいに
およげるようになったとき スイミーはいった。
「ぼくが めに なろう。」

あさの つめたい みずのなかを
ひるの かがやく ひかりのなかを
みんなは およぎ、おおきなさかなを おいだした。

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