そのとき いわかげに スイミーはみつけた。
スイミーのと そっくりの ちいさな さかなの きょうだいたち。
「でてこいよ みんなであそぼう。おもしろいものが
いっぱいだよ!」
「だめだよ。」ちいさな あかい さかなたちは こたえた。
「おおきな さかなに たべられて しまうよ。」
「だけど いつまでも そこに じっとしてるわけにはいかないよ。
なんとか かんがえなくっちゃ。」
スイミーはかんがえた。いろいろかんがえた。うんとかんがえた。
それから とつぜん スイミーはさけんだ。「そうだ!」
「みんな いっしょに およぐんだ。
うみでいちばん おおきな さかなのふりして!」
スイミーはおしえた。けっして はなればなれに ならないこと。
みんな もちばを まもること。
みんなが いっぴきの おおきな さかなみたいに
およげるようになったとき スイミーはいった。
「ぼくが めに なろう。」
あさの つめたい みずのなかを
ひるの かがやく ひかりのなかを
みんなは およぎ、おおきなさかなを おいだした。

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