自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

home

2011/05/04

命のコストは無限大

福島も終息していないというのに、福井の敦賀原発でも放射能物質が上昇というニュースが。・・・もう、いいからとにかくやめて。なにを悠長にやっとんねん!と関西弁で突っ込みたくなって思い出しましたが、関電の原発を止める会がつくった「天災は止められへん。けど、原発は止められる」というすてきな PDF(印刷すると12p の超大作)があります。なにわのマダム2人の対談形式になっていて、おばちゃんたちが「ひゃー。どこが安全やねん」とかいいながら、被爆、行き場のない核廃棄物、六ヶ所ともんじゅ、コスト、被爆労働者、代替案・・・問題のほぼすべてを網羅して喋りまくる傑作です。関西弁のすごい効力で、長いのだけどすらすらと読めてしまう。ゆるキャラのおばちゃんたちなのに、内容はしっかりしていて秀逸です。ぜひ。

田中優さんの5/2の三軒茶屋での講演会「こどもたちの未来のために・今わたしたちができること/原発・放射能を正しく知るために」に行きたかったのだけど、夜だから行けず、仕方なく Ustream で見たけどそれで十分でした。というか、Ust ありがとう。優さんは変わらず正論を説いていて、かつ、事実に近いと感じられる情報に溜め息が出つつも希望が少し見いだすことができる。怒りと怯えを闘う力に変えなければならないと、改めて思わせてくれるので多くの方に聴いて欲しいです(前記の講演だけでなく、毎日のようにどこかで講演をされていて、それらの動画がどこかしらにアップされています)。あと、改めて肝に命じたのは、やはり自分で随時情報収集をして、自分や家族は自らが守っていかないといけないということ。夜中にいろいろ調べて、放射線量や風向き、水産物汚染などについてのソースをいくつか見つけたので(遅いですが)ここにメモしておきます:

 個人の方のブログですが下の方にスクロールしたところに各国
 の風・気象予報一覧。同ブログ内の他の記事も情報が詰まって
 います。
 チェルノブイリ直後から発足した市民による放射線監視ネット
 ワーク

魚介好きな方、サーファーの方のみならず、必読。

また、ハイロ(廃炉)アクション (福島原発40年を廃炉の年にしようと結成された福島県内の有志団体)やフクロウの会(福島老朽原発を考える会)など福島県内各地でアクティブに活動されている団体があります。放射性物質がどこよりも舞う中での活動と思うと・・・ことばが出ません。フクロウの会のブログに福島のお母さんからこんな投稿があったそうです。シェアさせてください。
「(前略)パニックになって逃げて行った人たちをあいつは逃げた・・・と恨みつつ、でも子どもを持つ親は自分も子供を連れて非難したいとみんな思っているのです。学童疎開、無理なら授業停止でもいい、なにか職場に対して公然と非難の理由となるものがほしいのです。みんなきっかけを待っているのです。」
単に同調バイアスでも割りきれない、人間の念やしがらみの中の目に見えない束縛、そこにそこに身を置かないとわからない問題だと痛感です。内閣は今を戦中同様と例えたのに、戦時中は学童疎開しましたよね?子ども、避難させましたよね?それに幸いチェルノブイリという学べる前例があるというのに。子どもたちに 5年、10年後にどのようなことが起きたか、基づいて推測できるものがあるというのに。

学校カリキュラムも、食べ物もそうだけど「制約がありすぎると生活ができない」とか聞きますが、もうひとがまともに「生活できない」暮らし、始まっちゃってます。本来暮らせないところで、どうにか暮らすために、その工夫やルールを官民/公私で考えていかないといけないのに。全体的に通常時の概念、いい加減取り払ってほしい。いま、非常時だからね!!!通常の決まりを破るとこは破らないと、子どもや弱者から順に命が危ないです。

今日の投稿、内容がバラバラでまとまりないな・・・さて(落ち着いて)、インターネットやこういったオルタナティブメディアが、現在もしここまで発達していなかったらと思うと、ぞっとします。リサーチしていると、本当にたくさんの普通の市民によってネット上に情報が提供されているということが心強くもあります。Twitter も然り(わたしも情報収集・共有のためについに Twitter デビウしてしまいましたが、今のネットワーキングは本当にすごいなと実感しています)。同志が全国にいるのだな、と確認しています。最後に、なにわのマダムのひと言から(なにわ度 100%なやつ)「電気使うてるなら、原発に反対すなとかいう人もおるけど、これには反論しておきたいわ。消費者が生産者の欠陥商品を批判するのは当たり前や」。そや!(同意)。そして「お金払ってやりなおせる話やったらまだいいやん。命のコストは無限大」。国会議事堂が永田町じゃなくて通天閣(か御堂筋)にあったら世論にグイグイ押されて世の中変わってるかもね。おばちゃんに学んで元気出していこ。

0 コメント: