自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2011/05/04

バンクシー的アクションの来日


「岡本太郎氏の壁画にいたずら=福島原発?の絵貼り付け-警視庁が捜査、東京・渋谷駅」

「JR渋谷駅構内に展示されている芸術家の故・岡本太郎氏の壁画「明日の神話」に、何者かが福島第1原発事故を模したとみられる絵を付け加えていたことが2日、警視庁渋谷署への取材で分かった。同署は悪質ないたずらとみて、軽犯罪法違反などの疑いで捜査している。同署によると、1日午後9時半ごろ、「ツイッターで見た」と女性から通報があり、同署員が駆け付けたところ、縦5.5メートル、幅30メートルの壁画の右下部分に、四つの原子炉建屋を描いたとみられる絵が貼り付けられていた。骨組みだけになった建屋もあり、事故をイメージしたとみられる。絵は縦80センチ、横2メートルのベニヤ板のようなものに描かれており、壁に両面テープで貼り付けられていた。壁画に破損はなく、同署は絵を撤去し調べている。」(時事通信 2011/5/2)

祝。粋なバンクシーが日本にもいた。なんだかうれしい。誰も傷つけていないのに「悪質ないたずら?」。あまりに事実すぎてこれも「不謹慎?」。太郎さんは「よくやった」と言う気がする。「明日の神話」のテーマは説明するでもなく「原爆炸裂の瞬間」。これを行なったアクティビストを捜査するよりも、東電幹部を捜査してください・・・。

この記事の「参考」として(イルコモンズ先生のブログより拝借):「現代美術が持ってきた否定の真理は、これまで常に、それをとりまく社会への正当な否定であってきた。一九三七年にパリで、ナチの大使オットー・アベックが、絵画『ゲルニカ』の前で、ピカソに "これを作ったのはあなたですか" と尋ねたとき、ピカソはまったく正当にこう答えた。"いえ、それは、あなたです" と。」(ギー・ドゥボール)


【 追記 5/20 】昨日、アーティスト集団 Chim↑Pom が自分たちの仕業であったと表明し、セッティングの動画も公開。夜の全国ネットのニュースでもちらっと流れていました(その扱いには驚きだけど)。ま、仕業自体のみならず、表明した事に対しても賛否両論あるようですが。でも元々隠れて騒ぎを陰で喜ぶような浅い考えでやってないからねぇ、対して隠すつもりもなかっただろうに。

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