自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2011/05/19

個性の優れる方面において、各々止むなき表現をなせ

「個性の優れる方面において、各々止むなき表現をなせ」

宮澤賢治のことばです。

数週間前に、調べものをしていて(最近調べものばっかりだ・・・)とあるブログで知り、今この状況に暮らす日本人すべてに投げかけられた言葉のように思えて、ずしんときました。そして即拡散 via Twitter 。座右の銘の勢いです。前出のブログ内に掲載されている講演録で、この言葉を引用されていたのは、小出裕章さんという京都大学原子炉実験所の教授をされている方で、今となれば有名(?)ですが、40年近くも原子力を止めるために原子工学者の立場から訴えを続けている、筋の通った先生*です。

小出先生は来る 5/23 の参院行政監視委員会で招かれていて(孫正義さんも)、ご本人も「国会で言いたい放題言ってきます」と仰っているようです。たのしみー。原子力に真っ向から反対されてきた小出先生が国会に立つことなど誰も(ご本人も)予想されていなかったと思います。このご時世でずっと主張されてきたことがやっとこさ注目されて・・・複雑な思いもあるかと。以前から紹介している小林武史さんとの対談(この企画はほんと、分かりやすくて人選もよく good です)も数日前にアップされていました。上記に張っているリンク、すべて必読です!

「個性の優れる方面において、各々止むなき表現をなせ」は小出先生だからきちんと引用できるんだな。「表現」よりも大切なのは「止むなき」です。すごくありきたりなのだけど、継続して諦めずに、揺るがずに、何かを訴え続けることは簡単ではない。尊敬に値することです。わたしもできるだけやるよ、止むなき表現!

*思いっきり余談ですが、弁護士、政治家、医者、教師、「先生」と呼ばれる職業数あれど、本当に違和感なく「先生」と呼べる対象はどれくらい存在するでしょうか。わたしがひねくれているのかもしれないけど、大抵本来の意味を込めずに呼んでるよなぁ。でも小出先生は「先生」な気がする。あと、わたしの知人が議員にロビーをするときに意識的に「先生」と呼ぶのを拒んで本当に嫌悪感あらわにしていたのだけど、何かの文脈でフツウに「赤塚不二夫先生」と言っててかなりうけました。正しいけどね。

【 追記 5/22 】
(動画をダイジェスト版に書き起こしてブログに上げてくれた方がいます)。
・小出先生が引用されている 3月の高崎観測所の高濃度放射性物質を検出についての詳細。

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