自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2012/09/24

移住小咄1・暮らしとリスク


先月から何ごともなかったかのように脱原発やアクティビズムあれこれしか記してきませんでしたが、8月のあたまに夫の国であるスコットランドへ越してきました(サラっと言ったけどもー!)。以下、このことについて、やっと整理ができる時間が持てたので、自分のきもちのメモとして。

きっと今年は人生の中のひとつの大事な岐路なのだろうと思います。昨年から移住の話はずっとありました(震災と原発事故がほんの昨年だというのが信じられないくらい、数年前な感じすらしますが)。周辺の外国人の知人友人の半数以上が昨年のうちに国に帰っていたけれど、わたしたちは「外の要因に迫られて引っ越すのは非常にしゃくである」として、越す時は自分たちのタイミングで越そうと決めました。

越すことにまっすぐ向かい合うまでに時間がかかりました(だから越すと決めてからのひと月半ほどが、すごいスピードで、周囲にご迷惑をおかけしたのだけど)。主に夫の仕事の理由が大きかったけれど、やはり生まれ育って生活を築いてきたところが心地よかったから。そして被災地の方たちと何も被災していない自分を比べて、贅沢だとも思いました - どこか越せる先があるということ。家族や家財が無事で、なにも失っていないということ。福島などから自分の住む町へ「移住」してきた方々もいるということ。

東京が 3/15のプルームで放射能汚染されたというのは事実だし、いまだに汚染地である認識をしています。それでも、そこで遊び場や食品にできるだけ気をつけて気を張って1年半過ごし、今年に入ってからは地震の活動期(関東の地震)や事故前と同じ構え方で運営され続ける原発への危惧も増してきました。これまで調べてきた中で、今後の地震の可能性・想定や汚染の度合いなどを見て、東京はかろうじて暮らすことのできる場所であるという判断をしていましたが、そうするならそれなりの備えと心構え(覚悟)が必須だと思いました。それも結構な間、ゴールがなかなか見えないままで。わたしは(放射能汚染にも地震にも)自分の注意力がおそらく持たずに、年月を経るごとに緩くなっていくだろうと思いました。子どもをその2つのリスクから守り抜くことができるだろうか?というのが一番の問いでした。大人2人だけの生活であれば、移住は考えなかったと思います。

しかし、その今の日本の放射能汚染と地震被害のリスクから遠ざかったとしても、他の場所にも他のリスクがあります。数ヶ月前に、北京で暮らしている知人が2歳の息子くんと東京に一時帰国して「日本の食べ物は安心して食べられる」と言って、向こうに送る用の食品や衛生用品を買い込んでいました(脱線ですが、放射能汚染を受けて諸外国が正式な輸入を禁じている日本の食品は結構あるんですけどね)。国内の放射能汚染のことももちろんよく知っているけれど、北京の大気汚染や農薬まみれの食品に比べたらマシだと。業務用の空気清浄機を4台も家の中に置いて毎日フル稼働させているけれど、数週間でフィルターは真っ黒で、毎晩寝つく頃には家族全員咳が出ると。空が大気汚染で灰色の日が大半なので子どもを外で遊ばせられる日はほとんどなく、室内に大型遊具を置いて遊ばせ、子どものことを考えて年に数回は日本に "保養" に帰っていると聞いたとき「福島じゃないか」と思いました・・・。度合いと種類は違えど、どこにも必ず存在するリスク。もちろんスコットランドも例外ではないと思います。それぞれの国にそれぞれ異なるリスクはあるけれど、内戦にしても、公害にしても、農薬にしても、放射能(原発)にしても、犯罪にしても、人の手によって生じているものです。そうである限り、時間はかかるかもしれないけれど、人の手によって防ぐことができるし、止めたり抑えたりできるものなはず(だから腹もたつ!)。かなわないのは、地震くらいでしょう。

日本で食べ物に気をつけたりすることは日常になっていたので特別なことと思っていなかったのだけど、こちらに来てから、日本では結構なストレスがかかっていたんだなということがわかりました。無意識に産地をチェックしようと食品の裏をくまなく見るクセが抜けなかったり、芝生で子どもがごろんとしたときに一抹の不安がよぎったり、少し家具が揺れたら地震と間違えて身構えたり・・・。ひとまず、これまでの非常事態モードを解除するところから始めないと。落ち着くまでしばらくかかりそうです。

《つづく》

2012/02/06

食べ物ノート・レビュー

ひろく、うすく、ながーく汚染が続くとマヒしますね。最近とくに食べ物への注意力が下がってきてラーメン屋に抵抗なく入っちゃう自分もマヒしてきたのかもしれません。それかあまりに周囲が気にしていない様子なので、同調バイアスが働いてきているのかもしれないな。それもいかんいかんと思うのですが、放射能を気にすることに疲れてきている方たちも多いので、改めて放射能汚染の「気をつけるキーポイント」をおさらいしてみようと思います。注:長くなります。

いちから書いていく気力もないので(いきなりの脱力宣言!)、環境活動家で原発・放射能問題に詳しい田中優さんが執筆/発言された情報をまとめられている方の「ポスト311 、何を食べたらいいのか」の内容をベースに、わたしの個人的な見解を加えていこうと思います。原文(前出のリンク)にも注意書きされているように、未知なことが多い現状の中で、優さん( and わたし)の情報がすべて正しいとは限りませんので、鵜呑みにせず、あくまでも参考にしてご判断ください。

以下、*部分が優さんの言われたことの抜粋、文末・文中の( )がわたしの意見/加筆です(わたしも原文全てと意見が合致しているわけでもないので)。
. . . . . . . . . .

《 どの核種を気にすべきか 》
*今回の福島第一原発事故は、チェルノブイリ原発事故と違って核爆発ではなかった。そのため爆発温度が低く、金属が蒸発するほどの温度に達していない。おかげでチェルノブイリのように金属核種が蒸発ガス化して、風に乗って遠くまで飛ぶということはなかったようだ。そのおかげで心配されたプルトニウムはほぼ原発敷地周辺と風下にあたった飯館村(など)にとどまり、骨に蓄積して体外に排出されにくいストロンチウム(以下 Sr.)も被曝量でセシウム(以下 Cs.)の一万分の一以下にとどまった。当初に人々を被曝させたヨウ素は遺伝子を傷つけ、将来に被害をもたらすものの、寿命(半減期)が短かったおかげで現時点では数億分の一まで下がっている。今後気をつけなければならない放射性物質としては、ほぼ Cs に限定されていると言えるだろう。
(海の大規模汚染はチェルノブイリではなかったこと。ひとつのものから Cs が多くでなければ Sr も出ないわけですが、水溶性で海にたくさん溶け出して魚に取り込まれたであろう Sr 。魚の汚染( Sr は骨部位に溜まる)、その生態濃縮、これからの汚染の移り変わりは要ウォッチだと思います。)

《 セシウムの性質と食べ物の汚染 》
*だから Cs を含んだ食べ物が怖い。食べ物が放射能に汚染されていたら、体の中に蓄積されて、内側から放射線に撃たれることになるからだ。体内に入った放射能も、時間が経てば排泄されていく。この時間を「体内半減期」と言って、物質によって大きく時間が違っている。しかし今回の福島第一原発事故では、最大の被曝量となるのは Cs だから、その Cs を見ておこう。Cs は水に溶けやすいと言われる。しかし現実には溶けやすすぎるのだ。マイナス116℃で水と反応するので、常温の大気に出てくれば必ず大気中の水蒸気と反応する。そして一度水と反応した Cs は、二度目の反応はしない。だから常温の世界では水と反応しないのだ。水と反応し、粘土やホコリと反応する。余った電子の数が、粘土を引きつけるからだ。だから現実には、Cs は必ずホコリと共にやってくる。水の底に沈んだ汚泥や側溝の下、雨どいの下やすべり台の下に集まるのはすべてそのせい。エアコンや車のフィルターに集まるのも同じだ。逆にそのせいで、最初の雨水に叩き落されはするが、
その後の雨には含まれにくい。野菜も同じで、当初ホコリと共に降り注いだ Cs が野菜を汚染したが、その後の野菜の汚染レベルをみると、ほとんど汚染されていない。根を経由しての汚染は、ほとんど見当たらないのだ。汚染度は以下のHPに掲載されている。
 ・全食品
 ・淡水魚 
 ・回遊魚
(ホコリにくっつく Cs 関連ではこれからのスギ花粉のことに触れたいのですが、長くなるので末尾にリンクを置いておきます。そして、雨のついての話が出ましたが、先日東京でも雪が降ったときに、Cs とヨウ素が検出されたと騒ぎになったのですが、誤検出でした。久々の雪だったために大気中のラドンが多く含まれていたそうで、それが原因だったとか。昨年3月の大量のフォールアウト後の雨では有害な放射性物質が多く含まれていたのですが、ここでも優さんが言われているように最近の雨にはそれほど神経質にならなくてもいいようです。念のために子どもがびしょ濡れになるようなことは避けたいと思いますが・・・。詳しくは:雨や雪に含まれる天然放射性物質 by こどもみらい測定所

《 産地と濃度に気をつけるべき食品 》
*逆に言うと、汚染されている食品は限定されている。それらを覚えた方がずっと早い。 第一に生体濃縮による汚染だ。栄養と勘違いして集めてしまった Cs を、微生物、小魚、大魚と濃縮してしまった場合だ。この生体濃縮に注意すべきものは、「肉・卵・魚・牛乳」だ。しかし日本の畜産ではアメリカ産の配合飼料を与えるのが一般的であるため、家畜の汚染度は高くない。当初の汚染されていた稲藁を与えてしまった牛肉や牛乳以外では高くはない。
むしろ問題なのは天然由来の魚介類だ。魚の汚染度を見てみると、大まかに淡水魚、海の底生生物、海の回遊魚の順に汚染が下がっていく。淡水魚の中でも特にアユが高い。これは特殊に Cs を集めるコケを食べているためだ。それ以外の淡水魚も高い。これは栄養分の少ない川に生息しているためだろう。汚染されている海は限定的だ。特に福島沖と茨城沖が高い。福島原発から莫大な放射能が海に流されたが、その流れは北から流れてくる千島海流が南に押し、茨城と千葉の県境にある犬吠崎で、南からの強い流れである黒潮に押されてハワイ方向に流されていくためだ。もちろん乱流もあるので周囲に広がりはするが、汚染度の高い場所は福島と茨城沖に限られている。
(肉より魚が注意というのは同感です。我が家は肉も一応産地を気にはしますが、家畜はそこまで深刻化する感じはしていません。都心ではあまり口にする機会はないですが、イノシシやシカなどの野生の獣の肉は今でも危険だと思います。魚は、淡水魚と底魚(ヒラメやカレイなど)はもちろん、海底を這う甲殻類や貝やタコなどもしばらく注意かと。うちは大型の回遊魚(マグロ、カツオ、ブリなど)も念のため避けています。マグロは乱獲の理由から数年前から食べていませんが・・・。あとは魚介類関係でいうと、これからは河口域や湾でとられるもの要チェックです。汚染された土壌を雨が流してはけた水、これからは雪解け水、人々が行う除染で山や陸地から洗い流された汚染水が川に流れ集まり、下流で汚染が高まっていることはニュースにもなっていました。そしてついには海に流れ出る。河口付近の底に溜まり、そこに棲む生物に長期的に影響を与えるとの指摘もあります。海の汚染だけでなく、除染の問題点にも行きつく話です・・・。魚介類についてはこちらも詳しいです:グラフで見る水産物の放射能汚染。)

*第二に特殊に集める生物がある。直接食べることはないがコケ、特に注意すべきなのはキノコ、とりわけシイタケ、ナメコだ。キノコは菌類であるせいか、よく周囲からセシウムを集めてくる。他に葉の固いイネ、笹、竹などが集めやすい。特に来春のタケノコは要注意だ。日本では一般的ではないが、チェルノブイリではブルーベリーが非常に高く汚染されていた。
(わたしはキノコは 3月以来一度も口にしていないのですが、いやはやキノコは最強です。まさにマリオが一機死ぬ毒キノコ。つい先日も干しシイタケから規制値 4倍のセシウムというニュースがありましたが、今どきあの異常に高い暫定規制値を超えてしまうものなんてキノコにしかできない荒技です。26年経った今でも、欧州でチェルノブイリ由来の高い Cs がマッシュルームから出たという記事も見ました。以前も触れましたが、汚染されたおがくず(菌を育てる床)が北関東から四国に流出した例があったので、今でも産地を問わずキノコは気をつけた方がいいと思います。ああ、なめこ汁食いたいなぁ。)

*第三に幹や枝葉から汚染が伝った可能性のあるものとして、果物、クリ、ウメ、お茶がある。福島周辺は3月の時点では若葉はまだ生えていなかった。幹と枝ばかりの落葉樹には、幹自体に汚染が取りついた。それが樹幹流と呼ばれる雨水の流れとともに、果実に入り込んだのだろう。お茶の調査では根から吸い上げたものではないとされている。汚染された落ち葉も、2011年の葉よりも2010年に落ちた落ち葉の方が汚染度が高い。
(静岡のお茶でもまだ検出されますね。お茶、クリ、ドングリの汚染について詳しく書かれたブログ記事をリンクします。スギ花粉のことにも触れられています。)

*第四に部分的に集めている作物がある。特にコメの胚芽部分、小麦の麦芽部分だ。チェルノブイリの調査では、胚芽部分に93%の汚染が集中していたというデータもある。胚芽部分を除いた白米では、汚染は相当低くなる。
(米は高濃度に汚染された場所は福島県の一部などとわかっているのに、そこから産地偽装などされて(例えば新潟に運ばれ「新潟産」とパッケージ記載されて)流れているという情報をいくつか見かけました。作らなければ補償がもらえないなどの問題もあり、一部の農家さんたちは作付けしてしまったんですよね。こういったトレースしにくい米は厄介です。摂取量が多いため、産地が確実なものを選ぶことが安全確保の近道と言えそうです。この産地表記が確かだ、という点でも産直のパルシステムなどの生協はおすすめです。ちなみにパルは厳しい自主基準を設けて検査機も導入し、検査結果を公表してくれています。)

*他の野菜類は根から集めていないようだ。そもそも Cs を植物は吸い上げたくはなく、カリウムと間違って集めている。カリウムが十分な土地では集めないのかもしれない。しかもチェルノブイリでは、年数が経つにつれて Cs 汚染は下がっている。セシウムは粘土に吸い込まれやすく、年を追って引き出されにくくなるようだ。その結果、ホコリをかぶった当初の野菜を除いて、ほぼすべての野菜の汚染度は極めて低い。ホウレンソウもナタネもヒマワリも集めていなかった。特にナタネが集めていないことを知ったとき、ほっとした。というのは、日本人が食べている野菜の中では、ナタネと同じアブラナ科の植物が圧倒的に多いから。ということは、私たちの食品はかなり汚染を避けられるのかもしれない(後略)。
(確かに野菜は落ち着いてきているようですが、れんこん(茨城が主な産地)など最近でもわずかに検出されていたのを見かけました。しかし検出されたケースでも野菜はキノコのようにバカ高い数値はでないのは事実です。)

以上!
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備考:
・セシウム花粉情報
(2月から4月は花粉症でもそうでなくても、とりあえずマスクしといた方がいいってことです)

・新基準値も全然あかん情報
(乳幼児食品に配慮するはずの改定が、牛乳 50Bq から 100Bq に逆戻り?・・・乳幼児のみならず妊婦への配慮もないダメダメな新基準値。外部被ばくとの合算もまったく考慮していないし、それ以前に検査はザルだし、期待薄です・・・この危機感なさ、いつまで続くやら。)

2011/11/24

暫定規制値あれこれ

暫定規制値について、いくつかメモです。規制値の正式な改訂が年内に行われると決められたようですが、もうそんなもん誰もあてにはしていません(個人の指標としてはあてにしていないんだが、それに従って学校給食がつくられたり食品の流通が行われていることが問題なんだな)。厚労省は、暫定基準で年間5ミリシーベルトとしている放射性セシウムの年間被曝限度を、新基準値では年間1ミリシーベルトに引き下げる方針を出して、乳児用食品の項目も加えるとのこと。ある程度は評価できるのかもしれませんが、大人の食べ物と同じ材料で離乳食はつくられるわけだし、「乳児」は考慮して「幼児」は無視(大人と同じ)なのは、現実の食生活のケースをきちんと想定しているのか?という印象です。また、この累計の被曝量(年間1ミリ限度)はそれぞれの外部被曝量や、汚染された土壌や枯れ葉の土ぼこり・粉塵を吸いこむなどの内部被曝量は含まれていないし、東日本ではこの「換算されていない分」の被曝はほとんどの人がしています。これを言ってはおしまいだけど、もともと基準自体も流通前の検査で厳しく守られていなければなんの意味もないものですよね。わたしはそこを疑っているので、規制値のニュースを聞いてもフワフワと浮いたどうでもいい話にしか聞こえないのです。

この食品の放射線量の規制値は、チェルノブイリ以降の汚染を被った国々でも当然設定された(されている)わけですが、ベラルーシの規制値をめぐることについて少しご紹介したいと思います。ベラルーシはチェルノブイリ原発事故で国土の23% が深刻に汚染されました。その中でどのように人々の健康を守っていくのか、ベラルーシでは様々なノウハウが蓄積されていくことになりました。政府も(現在の日本のごとく)当初対策がまったくなっていないばかりか、ひどいもので、その中で市民が立ち上がり、自分の身は自分で守るしかないと努力がなされてきたようです。

先日、ベラルーシから学ぶ食品の安全管理というような、とてもいいお役立ちコラム(NHK が放映したものの動画)があったのですが、youtube からは既に削除されていました・・・珍しく NHK が役立つこと言ったと思ったらこれだよ(残念)。覚えている限り、そこで NHK の石川解説委員が説明されていた、ベラルーシの食品の安全管理で特筆すべきなのは、検査体制と生産現場が太く結びついているために、汚染食品がどんどん減っていったということです。それは例えば、食肉で高いベクレル値が検査機関で出たなら、生産元と密に連携し、何が原因でそういう数値が出たのか、エサか?環境か?出元を徹底調査して対策をすると。そこのラインがしっかりと繋がり動くことで、汚染食品は結果減っていき、基準値もそこの状況と見合わせながら(汚染が減少されたと見なせるものは)低くされていった、という経緯があるということでした。日本のように適当に決めた値じゃないんですよね。ちなみにベラルーシでは、全国で公立・民間含めて 860カ所の食品放射能測定所があり、市民が普通に計測しながら食品を購入しているとのこと(その様子も映されていました)。

また、ベラルーシのベラルド放射能安全研究所の副所長、バベンコ氏も「25年前に不幸な事故に遭った国の人々の知恵に学ぶしかない」と、先月講演で伝えています(「自分と子どもを放射能から守るには」講演と一部文字起こし:規制値問題、食品の除染対策などにも触れています)。ベラルーシやウクライナなどのチェルノブイリ事故下の状況と今の東日本について、様々な比較がなされますが、特に食にまつわる状況と内部被曝については簡単に同じと思うべきではないなと、わたしは考えてきました。食文化(日常的に食べる物)や人種の体質、食品の調達先や経済水準とグローバリゼーション(ウクライナでは 1000Bq/L を越えた牛乳を日常的に何年も飲んでいたなど、地産地消の農村が非常に多かった − わたしたちが今している地方からのお取り寄せをネットでオーダー+輸入食材の豊富さもない)、溢れる出来合いの加工食品やレストランの数は逆に今の日本の方がリスクはあるでしょうが。そして、今のわたしたちには当たり前のウェブによるの情報入手・共有なども、当時のチェルノブイリ下の市民にはなかったことです。こういった差異で生まれるリスクもあれば、その逆も、ということを考えると、被曝の度合いなどは比べられない。ここで、チェルノブイリと同様に考えられないから大丈夫、なのではなくて、同じにはならないからこそ怖いのだと思う。そもそも違う事故なんだし(つーか、福島は MOX 入り複数基メルトスルーだかんね)。しかしながら、放射能がばらまかれて食べ物が汚染されたというケースは同じこと・・・言いたいのは、その中で人々が努力して培った対策についてはとことん知るべき、学ぶべきだということです。

脱線ですが、解説委員情報:(NHK の解説委員に注目するのは科学文化部の水野解説委員以来!)前出の石川解説委員は、ベラルーシをはじめ、ロシアのエキスパート。風貌も芸術家風で注目なのですが、最近除染や食の安全などについての的確な解説が増え「チェルノブイリ後にベラルーシ、ウクライナ、ロシアで蓄積された知見をどのように日本で活かしたらよいか、少しでも役に立ちたい」と発言されていて、今後期待です。

【 追記 11/26 】
先ほど、福島市内で収穫されたお米から最大 1270 Bq/kg という暫定基準値を飛び抜けて越えているセシウムが検出されたニュースが。5kg の米袋ならば 6350 Bq(放射性廃棄物かい・・・)。「市場には流通していない」とされていますが、絶対に絶対に流れていないことを祈ります。誰もそこんとこ保証してくれないのだけど。

2011/10/21

食べ物ノート・なう

だれが読むでもない、低線量内部被曝から身をまもるための「食べ物ノート」シリーズ。続きです(過去の投稿は FOOD のカテゴリキーワードで一覧できます)。

以前にも食べ物における放射能除去の方法などのサイトをリンクしていますが、アップデイト&放射能に負けない体をつくる集約版を見つけました。また、以前の資料に比べたら簡易なダイジェスト版にはなるのだけれど、その放射能除去の復習になるようなブログポストを見つけて読んでいたところ、「食品の暫定規制値はどう決められているか」というところでつい止まってしまいました。分かっていたつもりだったけれど、食品安全委員会が「一年間に被曝しても問題ない」とした値から年間の上限を決めて、品目ごとに割り当てられたものだったんですよね。大人と子どもの許容値が別に設定されているものもあるけれど、そんなの大人の(高い数値)の方でくぐり抜けて流通しているわけだから、子どもの口に入る食卓の間際で測定する術を持たない個々の家庭で、どうしろというのでしょうか。流通している食品は食べ続けても絶対に安全と信じろと?先ほど、グリーンピースがスーパーマーケットの店頭に売られていた魚 60サンプルを検査したところ、基準越えはなかったものの半数以上からセシウムが検出されました。日本に暮らして幅広く食べ物を食べたいのであれば、ベストは尽くして避けるけれども、ゼロリスク(0ベクレルを望む)の理想は捨てないといけないと思います。検査機の検出限界値もあるわけだし。

このゆるゆるの「暫定我慢値」について、しばらく前から「いつまで "暫定" なんだ?」という疑問がいつもひっかかっていたため、厚労省の基準審査課というところに昨日電話して聞いてみました。結果、現在見直しのプロセスの最中で、8月に集めたパブリックコメントを受けて、食品安全委員会が国内の新規制値をつくっているところだと。それが出てき次第、厚労省でとりまとめてできるだけ早く平常時(ん?平常時?)の規制値に戻したいとのこと。目下、経済活動が滞ることを何よりも恐れて、安全より流通を優先させながら街は動いています。そのように平常時を一番装いたいのは国。でもよく考えれば「平常」なわりにはこの食品規制値だけが緊急時のままってのは不都合なはず。はよせんかい!という感じですが、3000件のパブコメの整理に時間がかかっていて、食品安全委員会からなかなか返事が出てこないんだと。パブコメをそんなによーく2ヶ月も読み込んでいただいて結構なんですが、随分悠長ですこと。見直し中であるのに時期的な見通しは分からない(年内か、半年後かも)そうです。核種についても、現在ヨウ素、セシウム、プルトニウム、ウランだけだけど、新基準では他の核種に対しても規制値が設けられるのか?の問いには「検討中」と。結局クリアな返答は何も貰えなかったわけですが。(関連:食品の基準は厳しく見直すと厚労省 / 現在の国の暫定基準値 500Bq/kg は全面核戦争時に餓死を避けるためにやむをえず口にする食物の汚染上限

先日、横浜で高い値のストロンチウムが発見されて話題になっていましたが、散乱している核種がヨウ素とセシウムだけでないのはもう随分前から周知のこと。今回放出された放射性物質は全部で 31種類だそうで(MOX 燃料入りということがチェルノブイリとの差異でもあり、一番怖いところです・・・)。あとは程度の問題。セシウムが結構な値であればストロンチウムもそれなりに含まれていると考えていいようです(ちなみにチェルノブイリときに放出されたストロンチウムの割合はセシウムの1割程度)。一般に普及しているガイガーカウンターではガンマ線核種のみ(セシウム)を拾うものがメジャーですが、ベータ線(ストロンチウム)やアルファ線(プルトニウム)を出す他核種を拾わなくても、セシウムである程度は足跡がたどれると考えていいのだと思います。半減期の長い強い核種は、地面に吹きだまったものが舞い上がって、吸い込んでしまう被ばくも怖いですが(一度地面に降下し、風で舞い上がった放射性物質を取り込んだ場合の内部被曝量は、大気から直接吸入するのに比べて約10倍:時事通信)空間線量が高い場所というのは、市民測定のおかげである程度は目星がつくので、近づかないという対策がとれます。なので、やはり毎日の食べ物経由の内部被曝が一番怖いし、流通させてしまっているから東日本に限った問題ではなく、被曝の危険性は全国に潜んでいます。基準値もその高い設定が問題ではあるのですが、それ以下は市場に出さないようにとわざわざ決めてんだから、まずはそのルールを守ってくれよ、と言いたい。

きのこなんかクレイジーなことになってますが・・・たまに半端なく高い値が出てまさに毒きのこ(マリオが 1機死にます)。食べ物で何に気をつけたらいいか、10秒で友人に伝えないといけない場合、最初にあげるのがおそらくきのこでしょう(続いてたけのこ、ベリー類と補食魚、摂取量の多い米かな・・・)。きのこは東北の露地栽培のものだけでなく、東北産の菌床(おがくず)を使って育てた徳島県のきのこから高い放射性物質が検出されたケースが最近あったし、関東各地でもこの収穫期になって続々と検出されています。腐葉土や瓦礫もそうですが、とにかく放射性物質を人の手で遠くまで移動させんのやめてもらいたい(怒)。

少し戻って、ストロンチウムの内部被曝対策について。アルギン酸を摂るとその体内残留量は 1/8 程度になるそうです。アルギン酸を摂取するベストな方法はもずく(うちの子の大好物ですが)と、知人情報。汚染されていない地域でもずくの名産地といえば沖縄。沖縄産もずくにはアルギン酸がたっぷりだとか。玄米のフィチン酸の成分もストロンチウムと結合して体内に吸収されることなく外に出してしまうとも聞きました(しかしフィチン酸の摂り過ぎによるミネラル欠乏症には要注意)。梅干しとともに食べると、そのクエン酸やアミグダリンという成分の働きも加わり、排泄を促してくれると(フィチン酸以降のくだり by「家庭でできる自然療法」東条百合子著)。体内の酸化ダメージを減らすという、"放射能につよい体をつくる" のに定番の効能があるようです。

最近食べ物の話題を何気なく知り合いと話す中で、気をつけていない人の多さに改めて驚きました。「内部被曝」ももう定着した言葉になってきたけれど、わたしはこれから「低線量内部被曝」と意識して呼ぼうかと。今一番気をつけねばならないこと・・・それはメディアが飛びつく局地的マイクロホットスポットの空間線量ではなく、毎日の食事に潜む「少しずつ」のリスクです(改めて)。

関連・参考リンク:
・【おすすめ】低線量内部被ばくから子どもを守るために PDF(Say Peace Project 発行、崎山比早子氏 監修のブックレット)
・【おすすめ】在日フランス人向け公報 IRSN「食品の汚染に注意」(フランス放射線防護原子力安全研究が発表した、東日本の食品汚染の状況や勧告)

ちなみに「なう」はもう古いんだってさ(と、20代の男子に指摘された)。

2011/10/04

木を見て森を見ず・その2

前回書いた「ひとつのリスク回避が導いてしまう他のリスク」の続き。

放射能対策に有効だというふれこみで様々な情報があります。その数はどんどん増え(最近は下火になってきた感もありますが)あきらかに疑わしいものや詐欺まがいのものも含まれていることから、少し前に注意を喚起するサイトやツィートも頻繁に見かけました。ウェブ上だけでなく、雑誌や本などでも、今や「放射能対策」はよく見かけるキーワードです。両派(●●は効く、効かない)が対立して小競り合いが始まったりしていて、なんだかなぁという感じでイヤな気分になるのですが、情報リテラシーの問題でもあり、重要なので、記しておくことにします。

まず「●●は効く、効かない」ということが話されるとき、どちらの側にせよ断定的な物言いを見ると気になってしまいます(「放射能汚染は危険なレベルだ or それほどではない」の議論にも通じます)。これだけ複雑であらゆる可能性が明確でない問題の答えを、とくに学者が、断定して特定の方向へ誘導するような発言をされていると、どうなのだろうと。あまりに固執して柔軟でない場合、バックに誰かいんの?と勘ぐってしまいます。学者なら小難しいデータなりを知識のないひとにも読めるように噛み砕いて提示して、可能性の検証なりを教えてくれると嬉しいのですが、あまりに肯定・否定の決めつけ度がすぎると、それは学者の範疇ではないのではと思います。これでは「パニックになるから」と市民の判断能力を見下して、提供する情報を操作した政府と同じ。一般市民は間違った判断をしちゃうから、代わりに判断してやるという感じなのでしょうか。特定の学者の発言や説を妄信する人々も然りで「あなたは本当のことをわかっていない」的な態度になる人もいます。

「放射能に効く"エセ科学"(あるいは "トンデモ科学" や "ニセ科学")」と物議をかもしているものには、米のとぎ汁乳酸菌、EM菌、マクロビ、スピルリナ、ホメオパシー、特定の音楽の周波数(?)などなど。もっと他にもあるんだろうけど。とある生物学に詳しい方による「これらは非常にあやしい」との反論を以前にもリンクしました(参考:同筆者による「デマのできかたと不安につけ込む業者たち」)。それを読んだとき、情報をきちんと見極めるために様々な意見をきちんと見て精査していかないとなーと思ったわけですが、同時に、科学的論拠どうこうというのとは別のところで、なんとなく「決めつけられている感じ」が腑に落ちませんでした。試してみないとわからないよな(藁をもすがる気持ち?)という気持ちも。放射能防護に関しては、放射能のからだへの悪影響が時間が経たないとわからないのと同様に、防護の効果もすぐにはわからないと思うのです。自分のような科学のバックグラウンドまったくなしの人間がのたまうのもなんですが、いずれにせよこういった効く・効かない問題はみんな違う体質なんだから個人差もあるだろうなと。なので、モノにもよるけれど、わたしならエセと決めつける前に自分の体には効きにくかった or やり方が悪かったのかな、といつも思います。こう書くとやっぱりスピリチュアル系と思われるかもしれないけど、わたしはどうも物事すべてが科学で解析できるというのは人間のおごりのような気がするし、個々の人間の差というのを軽視しているように思えるんですよね。いつも効能のある何かを他人に勧めるときは「わたしには効いたけど」という言い方をすることにしています。

新しく出てきた民間療法的な放射能への対策法を「あやしい!無意味!」と激しく反対する方は、自分や家族がその代替医療のようなもので痛い目にあったのでしょうか。確かに極端に信仰してしまった場合、健康に悪影響が生じるケースもあるようです。そうなればまさに木を見て森を見ず・・・放射能に気をつけてたら別の害が生じちまったということに。しかし、被害を被った立場でもなく、実際試したこともない
(直接尋ねてはいませんが)ご様子の科学者さんだったり、一般の方たちだったりの声により、膨らみすぎている感のあるこの議論。この方たちは「この不安に乗じて人を騙す奴らが許せない!」というシンプルな正義感から反対意見をぶつけているのでしょうか。なぜだか素直にそうも思えないのです。 少し前に『エセ科学批判が、ネット上でのいじめにつながっていないかの検証が必要だ。なぜエセ科学の唱道者でなく「変わった」一般市民へのバッシングにつながりやすいのかの検証。ニセ科学サイドは、科学リテラシーの衣を着た警察気取りなのではないか?』というツィートを見かけて、ふむふむ、と思いました。人を騙す行為はわたしも怒りを覚えるし、パトロールする気概も賛同しますが、単にこのカルト的動きが鼻につくという方々のご意見もあるのかもしれません。

そう、この一連の動き(●●が効く/効かない問題 and 放射能は危険/そうでもない問題)の両極の一部がカルト化していることが確かに問題でもあります。「あっちの世界に行ってしまったから連れ戻せない」とか「こっちの世界に戻ってきてよかったね」とかいうコメントもどこかで見たな・・・。効く/効かない問題にいたっては、特定の食べ物の薬効が自分の体にぴったりきて効いている例も存在するわけで(たとえプラセボであったとしても)・・・その人たちには効いていんだからいいんじゃないかと思うのですが、本当にそのあたり宗教を取り巻くものに似ていて、宗教にアレルギーを持ちがちな日本人の間ではイシューの扱いが微妙です。


前出のホメオパシー(レメディ)は放射能云々の前からよく非難の的になっていて、賛否両論ある代替医療です。わたしも常用者ではありませんが、以前に少し使ったことがあります。感想としては「よくわからない」。確かにおまじない的なところはあるのだろうなと思うけれど、否定はしません。問題視するほどでもないと思うのだけど、問題があるとすれば医療忌避に結びつく(一般の近代的治療や薬の代わりとしたがる)場合があるということ。新薬と併用しても問題なく、やはり極端に走るとよくないということです。今回も放射能に効くレメディとやらが出てきたので非難が再燃したようです(わたしもこれはちょっとどうなの、と思うけど)
スピルリナも何かと思ったけれど、藻類からできた健康食品/サプリメントのようで(あやしいわけではない)普通に販売されています。イギリスのオーガニックショップでも Defence Boost として朝鮮人参+スピルリナ入りナッツバーが売られていたので食べてみたことがあります(別に腹も痛くならなかったけど、即元気100倍!にもならなかった)。免疫力アップにいいようなので、それで今回も放射能対策に駆り出されてきたものと思われます。
米のとぎ汁、これもうちでつくってみたけれど、これは「どの状態で成功とするのか」が判別しにくく、きちんとしたプロセスや環境で正確な知識のある人によってつくられれば効果的に利用できるものなのかもしれないけれど、臭覚と味覚を伴わないレクチャー(ウェブの文面のみ)からの見よう見まねだと、反対派の方が指摘されているような衛生問題からマイナスな結果が生まれてしまう可能性はあると感じました(ので、うちでは難しいな、と判断したのでやめました)(参考:「米のとぎ汁発酵物が放射能を除去するという説について」ウィキペディア)。関連して、ある種の微生物を用いることで土壌の放射能汚染の低減が期待されるとして、実用に向けて研究されているようなことも耳にしました。
マクロビだってただの玄米菜食なんだから、体に悪いことはないだろうし、免疫向上という意味では有効なのだと思います。ちょっとそんなに叩かんでも、という感じ(参考:「"玄米と味噌で放射性物質除去が可能"説とその反応」)。

「デマ」「エセ科学」と言っても、科学的に研究が進められている途上のものもあれば、だれかが金儲けのために適当にこねくり混ぜた薬もある、単に体にいいと昔から伝承されている食べ物もある。様々なレベルや効能の幅があるだろうに、可能性を潰して一束に否定するのはどうかと思うのです。で、その可能性を潰してしまうかどうかというのは、それらをバッシングしている人たちの声によるのではなく、庶民の科学リテラシーの高低でもなく、わたしたちの情報を判断するバランス感覚にすべてはかかっているのだと思います。

もちろん効能を発信する側の説明の仕方にも非はあると感じています。個人的な理解ですが、「放射能を無害化する」なんてのはすでに「無害化」てのがあやしいけれど、「放射能に負けない体づくり(免疫の強化)」というのは必要で、有効だと思うのです。今回放射能対策で話題にされたもの(特に食べ物)の中で、発酵食品類は腸内の環境を整えて免疫力をあげるのに効くということは確かだと思うし、傷つけられたDNA 修復のために大量のビタミンや抗酸性物質が消費されるので、抗酸化物質を取り入れよ、というのは、わたしは頷いているんだけどなぁ・・・ここまでだったらアリだけど、これ以上進んで「これが効く」はデモ吹聴?難しとこですな。発信する側も、受信する側もバランス バランスと言うことで・・・今日はこんなところです ©筑紫哲也。

関連リンク:
 (放射能対策にいそしんでいる人たちは「放射能に克つ近道」
 を探しているわけではないし、少しでも子どもの被曝量を減ら
 そうと必死な親だったりするのだけど、その反対派の意見の一
 部には「こういうのに騙されているのは無知な主婦」的な失礼
 なステレオタイプも見え隠れすることがあるようです)
 (が、おかしいぞ、というご意見)

【 追記 10/10 】
参考記事:「SNS」でお宝情報を手に入れる人、デマに踊らされる人(プレジデント・オンライン)

2011/09/29

木を見て森を見ず・その1

疎開の意味もあって国外にいた先月に、放射能フリーの食材(ヨーロッパではまだチェルノブイリの影響を受けている食材も存在するので、そうとも言い切れないのだけど)に囲まれ、いくらか食材選び格闘の日々から解放されたこともあり and 和食が少なくなってバランスのいい食事をきちんとつくる努力を怠っていたため、子どもが喉の感染症にかかってしばらく高熱が続くということがありました。気候の違いなど、もちろん他の要因もあったのだと思うのだけど、すぐに思ったのは「ろくなもん食わしてなかったな」と。めったに具合が悪くならない子なので(ますます)なんとなく自分のせいだと反省していたのですが、このことでつくづく実感したのが「1つのリスク回避に集中しすぎると、他のリスクを見落としてしまって総合的にリスクを高めてしまう」ということです。こういうと自分や子育てに厳しい人のようだけど(まったく逆の性格のくせによく言いきれるなぁ、自分)いやはや、ベクレルからの開放感でスナック菓子食べさせ放題でなかったかと。

西日本の食材はまだ汚染されていないからとにかく西のものを!という自分を含む放射能コンシャスの母親たちの動きがある中で「九州は黄砂(放射性物質を含んでいる)の影響が強いの知ってる?」と水を差してくれたお母さんがいて「んじゃ、どこのものを食やーいいんだ」という話になりました。ナイス水差しです。そう、ゼロリスクは幻想なり。チェルノブイリ以後設定された輸入食品向けの基準値 370Bq をすり抜けている海外食材も然り(しかも今、国内の暫定基準値と輸入食品の基準値が違ってしまっているから、というおかしな理由で都が輸入食品の放射能検査を中断中!)、輸入食品でも安全とは言い切れず・・・ こういった情報を与して、とにかく「安全圏と思われる産地内でローテーションして、特定の地域(及びメーカー)のものを食べ続けない」ことがリスク回避だというシャッフル論が確立されたのでした(わたしの中で)。イヤな言い方だけれど完璧に安全なものを探求するのではなく、どれだけ毒を分散させるか、ということです。

国内の放射能汚染に関しては汚染瓦礫の焼却を日本全国各都道府県で受け入れる動きがあるため、今後遠く離れた西日本でも放射性物質が各地域に散らばる可能性もあります。もちろん被災地のために瓦礫処理に協力すべきだとは思うけれど、東北には汚染されていない瓦礫もあれば汚染されている瓦礫もある。汚染状況はきちんと事前に正確に検証され、判断されるべきです。瓦礫のみならず、汚染されたものすべては一定のエリア内から外に出さない、汚染地域を広げないということが鉄則中の鉄則であるはずなのに、現状は真逆です。

ちょっと脱線しましたが、食べ物のリスクといえば、わたしが実感した栄養の偏りによって免疫が落ちてしまうことだけでなく、遺伝子組み換え食品、添加物、農薬、食中毒、アレルゲン・・・と気にしだせばキリがないし、今この状況の中では多少農薬にまみれていても放射能汚染がわずかであろう九州産を取る!とリスクの選択をしなければならないこともあると思います。汚染食品から身を守るときの線引きは、それぞれの価値観が関わるリスク管理なので、何が正解というのはありません。その中で、他のリスクも世の中には存在するということを忘れず大局的に見ることは大事ですよね。「小さな木」と言うには、放射能の影響はやや巨木な気もしますが・・・。

2011/09/17

ふたたび・食べ物ノート

食べ物の放射能汚染の影響を気にしているかどうか?というと、気にしているという層の方が多いようなことをどこかで聞いたけれど、いまだ放射能の話はタブーなところがある気がします。まったくおかしな話だけれど。気にしていない人が必ずしも原発推進派というようなことはないし、様々な理由があるのだろうけど、ここで原発反対/推進の二極の構図のように、「気にしている人/いない人」で相容れないままパラレルで進むのも不毛なことだと思います。これには「科学的/非科学的」な対立も関わってくるのですが(これに関しては多く書くことがあるので)近いうち投稿するとして、ここでは、最近の食べ物と汚染の情報についてまとめます。

海外では日本からの輸入品は厳しい放射線量の規制値が設けられ、国内に入らないようにはじかれているそうです。半年経ったいまも、呆れるほど高い暫定基準値はまだあのまま。いつまで「暫定」なんでしょうか(参考:「まったく安全ではない食品の暫定基準値と内部被曝」)。未検出が多いのはいいことだけれど、検査システムはもちろんサンプル調査であって全量調査ではないわけで、行政の検査体制は疑問が残ります(参考:検出・不検出のしくみ市民調査団体で検出続出、福島県発表は不検出)。加えて、たまに後出しで公表されてくる「こんなに入っちゃってましたー。給食にも混ざっちゃってましたー。」は、ああそうでしたか、で済まされる話ではありません。セシウムで牛肉が一気に注目されましたが、牛肉だけであるはずがなく、最近では新米の流通が始まった米や、野菜などに比べて検査がザルである魚介類、放射性物質を多く取り込みやすいキノコ(主に野生の)などが、とりわけ注意すべきと言われています。米に関しては、汚染度の高い米とそうでない米がブレンドされて出荷されたり、福島や宮城産の米を他県産の米袋へ詰め替えて売られているとかいないとか。魚についても、パッケージの産地記載があいまいにされていたり、(漁獲地ではない)水揚げ港表記の場合があったり、生体濃縮(食物連鎖の影響で魚の体内で放射性物質が蓄積・濃縮される)の問題もあります。あと、わたしが素人ながらに思うのが、チェルノブイリは内陸だったので淡水魚の汚染の資料はあるけれど、これだけ大量に広範囲に空から(フォールアウト)陸から(汚染水海洋投棄)放射性物質が海に注いだことは例がないので、本当に前代未聞。海流がどうの希釈(薄まる)がどうのと読んでみたところでつまりは「こんなこと起きたことないからわかんない!」わけで・・・そこがこわいですよね。ああ、寿司がはるか彼方に行ってしまいました(遠い目)。また、核種もはたしてセシウムだけなのかという懸念もあります。

ま、そういうわけで、引き続き食べ物は「念のため」警戒モードだと思うのです。サバイバルのための食材調達情報は:
OK フードまとめ(汚染の少ないと考えられる食品リスト)
セーフ・フードマーケット(産地の原発からの距離や空間線量がわかる)
 * 含有するベクレルではない
製造所固有番号調べ(生産された工場がわかる)
その他 関連情報:

また、一部の生協(パルシステムなど)や大地を守る会といった宅配業者が頑張って自主検査の項目数を増やしたり、西日本の食材を積極的に集めてくれたりと、意識の高さが見受けられて頼もしいのですが、小売店では独自のポリシーを打ち出すことは難しいようです。わたしの住まいの近くでは、成城石井や紀伊国屋、ナチュラルハウスといったややお高めのスーパーだと、食材の産地が意識されて関西以西になっている傾向があったり、元々輸入食材やオーガニックフードの品揃えを誇っている小売店でもあるので、助かっています。九州や四国のアンテナショップを利用することも増えましたが、比較的割高です。これを考えるといつも、そのうち、消費者の「被曝格差」が所得によって出てきてしまうのではと心配になります。所得の高い家庭はより安全な食材を選べるために内部被曝が避けられ、所得の低い家庭は汚染の懸念がある安価な食材を買わざるをえない、というように。うちもエンゲル係数が記録的に跳ね上がって、厳しい状況ですが、こればかりは出し惜しむわけにはいかないと思っています。このかさむ出費を東電に請求したい・・・くそー。

企業の CSR(社会的責任)という観点を考えれば、卸しも小売りも安全な食品を責任を持って仕入れ、販売することは当たり前なわけで、そこを「当然のことしろ!」と消費者がもっとつついていいのだと思います。食品企業、外食産業、小売店の放射能対策についてのある調査では、多くの企業が政府まかせで後ろ向きの情報公開姿勢であったと。でも、厳密な値まで測れる放射能測定器を購入したり、原料の産地を変えたりと、やっているところはやっている。議員の選挙と同じで、こういった各姿勢を消費者がよく覚えておいて、ダメな企業は注文をつけるなり、意見するなり、ボイコットするなりして、動いてもらえるようにすべきです。そしてよい企業にも、褒めて感謝の声を届ける。消費者の声が一番の圧力だと思います。
食品企業の放射能対策、主要 35社アンケート(東洋経済オンラインより/p.5 に食品企業、p.6 に小売店一覧が掲載)

先日、3.11 から半年の節目に思い出したことばがありました。出典を忘れてしまったのだけど、どこかで読んだチェルノブイリを振り返るヨーロッパの女性の発言を最後に紹介します。
「はじめのうちは汚染された食べ物は摂らないように一生懸命気をつけていたのです。でも半年後、1年後、汚染度がますます激しくなったにも関わらず、それを口にしてしまう・・・放射能汚染の恐ろしさは、人間の注意力や忍耐の限度を超えたところにある。」
これは「放射能」自体との長期戦なのではなく、自分自身のメンタルとの闘いでもあるのだと痛感したのでした。負担にならないように緊張感を継続させるというのはひとりでは難しい。だれか同じ価値観を共有できる家族や仲間といっしょに、目標(子どもをまもり抜く!など)を堅く持って進むことが、突破のキーかもしれません。

【 追記 9/19 】
★ 必読 ★ 毎日外食するとどうなるか? たまに汚染食品を食べても大丈夫か? ND レベルの汚染食品を毎日食べ続けるとどうなるか? などのシュミレーション:「放射線衛生研究」。蓄積の意味がわかります。放射線を研究している方によるもので「暫定基準値の甘さをバンダジェフスキー博士の研究におけるセシウムの毒性に照らし合わせ、非常にリアルに計算している」と識者からも RT されていましたので、参考にできるかと思います。気が引き締まるな・・・。

2011/07/16

また又・食べ物ノート

「個人的見解」だとしたって、国策を覆す「原発に頼らない社会へ」発言が日本の内閣総理大臣からあるなんて!と感慨深くなる一方、こんだけのことが起きたんだから当然のことではあるわけです。フクシマを受けて、日本より先に国外の原発が止まったり、脱原発の法案が通ってるんだもん。なんにせよ、首相が、真意はどうあれ「やる!」っつってんだから、国民がサポートしていかないと実現しません(とくに今、首相は四面楚歌だし、支えないとまた元に戻っちゃう可能性も十分にある)。

そんな中で、セシウム牛肉が出回ってしまったりと(ありえない・・・)現在の国内の食については、検査体制をとっても高い暫定基準をとっても、自らが積極的に防衛しなければ容易に内部被曝させられてしまう状況からは何ひとつ進展していません。

これまでの投稿(*food のラベルですべての食の安全関連記事を引き出せます)に加えて、食の安全についての有益なサイトのご紹介します。と同時に、先週の火曜 (7/12) に参加した「チェルノブイリへのかけはし」の野呂美加さんの講演会と、今日 (7/16) の肥田舜太郎先生の内部被曝に関する講演会を聴いて得たことを加えて記しておきます。

・おいしいたのしいくらし(必読のまとめ!)
 といった食べ物の対策のまとめや、
 生活全般(掃除や洗濯など)についての対策も集約されています。
 ソースのリンクもすべて列記されています。すごい。
 しかも誤報があれば訂正し、日々アップデイトされ続けています。

・イラストで見る

1つ目のサイトをまとめられた metok さんが仰っていて、共感するのは「ネットベースの情報が多くてすべてがすべて論文やら科学者の唱えている情報ではないけれども、科学的根拠がクリアでなければ動かないとなれば、内部被曝についての対策は、はっきりいって何もできない・・・民間療法の世界になってしまうかもしれないが、とにかくできることはやる」という姿勢。肥田先生も仰っていたけれど、現在の医学は放射線による体への害を防いだり治したりできるところまで発展していないと。野呂さんのされているチェルノブイリの子どもたちを北海道で転地療養させるプロジェクトも、最初は確証のない試験的な部分も多く、放射線障害がそんなことで軽減されるわけがないと批判があったが、ひと月の療養で体内の放射線量が3割減するケースがあったことは、やってみてわかった結果であり、「(被曝した身体への対策は)医学や科学があとから追いついてくる部分がある」と。民間療法といってもあやしいもの(手をかざしたら腹から針が出てくるとかね)ではなく、汚染食物を避けられるだけ避けた上で、免疫をあげるべく、食べ物の効能を知りながらきちんと食事をしていくといった本当にベーシックなことなのです。わたしも調べれば調べるほど「そんなことだったのか/そんなことでいいのか/そんなことしかできないのか」と発見の連続です。

野呂さんは様々なところで講演をされていて、動画配信もされているのでご覧になった方もいるかもしれませんが、お話の内容は ①「かけはし」の活動(チェルノブイリの子どもたちの転地療養での成果について)② 福島の線量の高さと現状(ベラルーシとの比較)③ 福島や関東の子どもたちに現れている低線量被曝の初期症状 ④ 食べ物で放射能に強い体をつくること(予防、療養)、免疫アップ・・・いつもこれらが大体の柱になっているようです。一方、肥田先生(自らも広島で被爆され、原爆投下直後から今に至るまで被爆者治療と核廃絶運動に関わり続けられている医師)のお話も、ご自身の広島での壮絶な体験を治療にあたった医師の視点から語られる部分が大半でしたが、野呂さんの ③ ④ と重なる内容も含まれていたので、主にその2点について、お二人のお話からまとめます。

*現在の子どもたちに見られる症状について
(お二人のところに)福島、関東の多くのお母さんからの子どもの健康相談が相次いでいる。下痢、鼻血、目の下のクマ、口内炎、あざ、喉(粘膜系)のトラブル、老化のような現象(関節の痛みなど)、これらは初期の被曝症状(軽い急性症状)と言っていい。こういったことは広島でも軽度の患者に見られた。アレルギー体質の人は比較的敏感に症状が出る。これらが出たからといって、すぐに何かが起こるわけではなく、療養などで改善できる余地はある。外部(高い空間線量)内部(土壌から舞う土ぼこりの吸入、汚染食物)の被曝を避けられる環境に移ること。その症状が慢性化して、ずっと倦怠感が続くぶらぶら病に進展してしまわなければ心配はいらない。これから数年後に出てくる放射線障害(晩発性の影響)については、白血病や甲状腺がんなどがよく言われるが、ほかに本当に様々な症状・病気が抵抗力が落ちることによって現れる。

*食べ物ができること
まずは汚染された食べ物を極力食べないこと(ごく微量でも体に入ってはいけない!)だが、どんなに気をつけていても入るだろう。体内に入ってしまうことは覚悟して、自己の免疫で闘うしかない。食べ物で強い体をつくること。どの食べ物がいいか、ではなく、どう食べるか。食べ物の栄養を体が吸収するには、とにかく噛む。咀嚼の作業は噛み砕くことが重要なのではなく、唾液による酵素を含ませること。酵素は数千種類あり、食べ物でいえばリンゴ、バナナ、桃、柑橘類に含まれるペクチンはセシウムの排出を促す(参考:研究報告のまとめ/「放射性核種の除去する」ペクチンに関するレポート和訳)。お腹が空いているときに摂取すると吸収がいい。揚げ物やスナック菓子は身体を酸化させるので避ける。被曝によって壊された体内の DNA が酵素によって修復される。リンゴで酵素ジュースをつくるのがおすすめ。放射性物質は腸内細菌にダメージを与えるので、善玉菌を増やして腸内環境を整えるとよい(野呂さんは EM菌を推奨していましたが(これについてはやや?)、米のとぎ汁でつくる乳酸菌(資料その1その2その3)などもその類いで、いま我が家でも試しに実験中です。もちろん乳酸菌を含むぬか漬け、たくあん、甘酒、みそといった発酵食品もよいとされています。ヨーグルトは生きている乳酸菌が多く入っている種類のものを)。とにかく酵素の力を借りる!

今「酵素・発酵・乳酸菌」といったキーワードと「免疫」や「放射能」で検索すると、かなりの情報が出てきます。中には便乗ビジネスもあるようなので注意。わたしは食べ物に薬効・効能があると思っていますが、先にも述べたように、実験的な部分がある情報であることには変わりなく(とりわけ EM菌や米のとぎ汁乳酸菌については賛否両論あるようです)、すべてを鵜呑みに信じきっているわけでもなく、疑うところは疑いながらも模索していっている状況です。効果には個体差(合う合わない)もあると思うので、あくまでご参考まで。あとは当然のことですが、自己責任で、自分の経験・知識の蓄積と動物的な勘で判断するしかないんかな。

肥田先生の言われた「どんなに気をつけていても、汚染された食べ物を食べることは防ぎきれるものではない」というのは本当にその通りだと思っていて、自分自身もいくらか入れてしまっている意識はあります。そういっても被曝に効く薬はないわけで、最後は人間の自然治癒力、免疫の高さで闘うしかない。だからこそ体に入った毒はできる限り排出するべく、デトックスを意識するしかない。というのは納得しています。でも、たばこはダメ、規則正しい生活習慣を、バランスのよい食事を家族いっしょに、ストレスをため過ぎないように、きちんとした睡眠、排便を、などなど・・・あまりの正しさに学校の先生に怒られているような気になりますね。わたしだって脂っこいものは食べるし、外食もするし、運動はしないし、夜更かしするし酒は飲むわで何も自慢できるような生活はしていません。子どものため、というのは子ども自身を守ることもそうだけれど、「お母さんが倒れたら誰が子どもを守るんでしょう」と誰かも言っていたし、自分も気をつけていかないと、と思う今日この頃なのであります。

【 追記 7/20 】
「あやしい放射能対策」マクロビオティック、EM菌、米のとぎ汁乳酸菌、ホメオパシー、ペクチン、スピルリナ・・・の効果は疑わしいとのご意見。学会論文や科学的論拠がすべてではないと思うし、その逆に位置するのがすべて不安商法や精神論、宗教信仰ってわけでもない。微妙なことを判断するときには賛否両論、両方きちんと知って考えないとね。「なにごともバランス」と、改めて思う。

2011/06/19

続々・食べ物ノート

小出裕章先生のコメントがやっと民放で流れるようになりました。原子力の専門家でも脱原発側の学者の警告はとりあげてこなかったマスメディアが徐々にその姿勢を変えてくるのも、事態の深刻度のバロメーターでしょうか。

(テレビ朝日・モーニングバードより 19分の動画)
このインタビューで小出先生は、炉心の水はなく、まともに冷やすこともできていない状態で、解け落ちた燃料が地面を溶かしながら下へ下へと進んでいっているのではないかと言っています。そうなるとドロドロの核燃料が地下水に触れ、水脈が汚染されることに繋がります。それが起こっているのではないかというサインが、2号機周辺の地下水からストロンチウム90 が国の基準の170倍も検出されたこと(保安院は3号機の水素爆発によって出たストロンチウムと報告)。どこかで読んだのですが、地下水脈というのはどのように全国に広がっているのか完全に把握ができていないそうで、原発真下の地下水が汚染されて流れ広がったとして、どこかで食い止めることができなければ、海に流出するだけでなく、広範囲にわたって日本の水が汚染されてしまう可能性もなきにしもあらずなのです。それはもう始まっているかもしれない。この危機感をどのくらいの人が持っているでしょうか。

チェルノブイリのあと、オーストリア政府の調べでは圧倒的に大きな被曝 (80%) が食品からのものだったそうです。次に重要なのは地面の汚染に起因する外部被曝 (15%) 。「このデータは地域によって多少異なるだろうが、汚染食品の重要さは変わらない」(「食卓にあがった放射能」高木仁三郎・渡辺美紀子 著)。今日は食べ物に関して集めた情報を紹介します。

依然、高い暫定基準値は変えられていません。そして汚染の測定も、きちんと測って流通しているのは野菜の 0.1% に過ぎないとか。1000本のキュウリのうち 1本しか検査されていないことになります。結果は発表されているようですが、検査プロセスなど確かに不透明。全量調査ができないのは分かりますが、現状では「どれが基準をパスしたもので、どれがしていないか」わからない状態で市場に出ていて、しかもその暫定基準が異様に高いときている。いずれにせよ、検査を経てパスしていたって危険な可能性が高いのです。福島産でも、本当に検出されなかったものがあるなら、それを買いたいのに(どこよりも被災地のものを本当は食べて支援したいのに)、今のシステムでは「食べて支援」は危険を伴います。また、今は畑の表面が汚染されている状態で、洗っても落ちる(実際よく洗って「基準値以下」となり、市場に出ているものもある)。問題は来年以降は洗っただけでは落ちないものが出荷されるということ。雨で土壌の表面にあった放射性物質が土中に浸透する、その汚染土の養分を取り込んで野菜が育つ(汚染エリアの作付けについてや 99.9%の野菜が未検査な件のソースなど、上記のリンクで言及されています)。関連して、「食品の調理・加工による放射性核種の除去率」(原子力環境整備センター)というちょっとマニアックな論文調の読み物を発見したのですが、カタくて読み込めていません。ご参考まで。

1週間ほど前に表参道のクレヨンハウスであった勉強会「食べものと放射線のはなし」を、覚え書きとしてまとめてくださった方がいます(まとめの Togetter)。はじめて学ぶ方にはわかりやすく、ちょっと詳しくなっている方には要点をとらえたおさらいになっていて、おすすめです。上記のおさらいと同様に「放射能汚染からの自己防衛の食事」というまとめも非常に参考になります。ふたつとも、食生活のキーポイントとして「取り込みを防ぐこと」「排泄を促して蓄積させないこと」、さらには「体質を丈夫にして免疫機能を強くすること」をあげています。排泄を促進する食べ物としてりんごや柑橘類に多い「ペクチン」(ジャムなどにも入っているやつですね)は放射性物質を絡みつけて排出する働きがある、などなど、具体的な情報が詰まっています。

その他、いくつか情報サイトを列記します。
・魚に関する汚染の情報
(年齢別というところが新しい・・・って、なんかちょっとマニアっぽくなってきて自分でも今ちょっと引いた)

6/8 に出された在日フランス人向け公報 IRSNは「福島県周辺地域における土壌と食品の汚染、続く」として、以下のような勧告を出したそうです(以下、一部)。
- - - - -
【一般のフランス人への勧告】
・ 生産地や放射線濃度が分からない生鮮食品(特に葉野菜、キノコ類、魚類)については長期間の摂取を控える。福島原発事故の後で生産された茶葉についても同様。
・ 同様に、福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉の各県で穫れたタケノコやクサソテツを摂取しないこと。
・ 福島、宮城の両県で生産された生乳や、生産地・放射線濃度が分からない生乳を長期間子どもに与えないこと。
【宮城、茨城、栃木、福島に暮らすフランス人への勧告】
・ 乳児および幼い子どもの食事にはボトル入りミネラルウォーターを使用すること。
・ 自宅の家庭菜園から収穫した野菜や、家庭で飼っている家畜動物を食用に用いるのを最大限に控える。
・ 野菜や果物を食べる前に注意してよく洗うこと。外部から建物の内部に汚染物質を持ち込まないよう、家庭での衛生状態を良好に保つようつとめること。特に、下記に注意する。
・ 雨の日は靴を家の中に持ち込まない。
・ 濡れた雑巾で床を定期的に拭く。
・ 家具、カーペット、敷物の表面に定期的に掃除機をかける。掃除機の中袋を定期的に交換する。
・ 無意識に手が口に触れて汚染が起きないよう、ポンプ式容器に入った液体石けんで手を定期的に洗う。
・ 幼い子どもが遊んでいて戸外の土や砂を口にいれないよう、常に見張っていること。
- - - - -
なんで日本人が在日フランス人向け公報を頼りにせなあかんのだ、と思いますが。

今回の投稿の他に、以前書いた「日々是被ばく(食べもの)」「続・食べ物ノート」にも放射能汚染と食品についてまとめてあるので、そちらもよかったらご参照ください。

【 追記 6/21 】
横浜のお母さんお父さんの市民グループが、食べ物関連をはじめ、しっかりとしたまとめサイトをつくられています。
横浜パパママ放射線だより(横浜の子供たちを放射能から守る会)

2011/06/09

土と水

「きれいな水と土では、腐海の木も毒を出さないとわかったの・・・汚れているのは土なんです。」(「風の谷のナウシカ」宮崎駿 より)


ですね。
汚れちまって、誰がもとに戻してくれるんでしょうね。人間がやってしまったことだから、人間がもとに戻していくしかないんだな。誰もやってくれないし、わたしたちは土と水が必要だから。
知りましょう。

放射能で「汚れた土」がこれからしでかすこと/汚染地域 800平方km 以上、もとに戻すには 100年以上かかる(現代ビジネス)

*原発事故の放射性物質 食品への影響、止まらず/ 7都県 41品目で規制値超、「付着」から「吸収」へ(毎日新聞)

*どこまでが毎時 0.25 マイクロシーベルト(年間 2ミリシーベルトを超える)エリアか、地図上の区切り(北関東広域、東京東部にかかる)※ 0.25 μSv/h はチェルノブイリから 30km の立入り禁止区域(現在)と同レベル

*空気中に広がった放射能が下水に流れ込み、下水処理場で水を処理する過程で生まれた汚泥にすさまじい量の放射性物質が濃縮されている。その汚染された汚泥をセメントで再利用したり、処理のため焼却する場合、放射能汚染・拡散の二次被害が起こる。

2011/06/06

「何がほんとかわかった頃にはすでに遅い」とチェルノブイリから学ぼう

福島第一原発から 50km 離れた田んぼからプルトニウム検出(非公式)、原発正門から 1.7km の土壌で微量のプルトニウム検出(毎日新聞)というニュース・・・アメリカ西海岸で既に太平洋を横断したと思われるプルトニウムが結構前に検出されていたそうだから、そりゃ降っただろうとは思っていたけれど、さすがにプルトニウムとなると背筋が凍る。プルトニウムは物質として重いから遠くには飛ばないなんてウワサもありましたが、目に見える砂粒の黄砂(明らかに核物質より重い)が中国内陸からはるばる飛んでくるんだもんね。

「わからない」がこれだけ多い中、いつになったら「わかってくる」んだろうと思っていたところ、このような記述を見つけました。以前もリンクしたことのある「チェルノブイリのかけはし」(チェルノブイリで被災した子どもたちを日本に招待し、きれいな空気と食べ物で療養させる活動を行っている民間団体)代表の野呂美加さんのお話をふたつ。

*「チェルノブイリで深刻な被害を受けたベラルーシの放射能汚染地図は、事故後3年経ってから発表された。原発付近ではなく遠く離れた土地にもランダムに見つかるホットスポットは、子どもたちの体調が悪くなって、そこがホットスポットだとわかる。子どもの体を放射線量カウンター替わりにして、ガンを発症した子どもたちによって、数年後に判明する。」... 親たちが動かず、行政に基準値や食品汚染の対応を丸投げしていたらこれは日本でも起こります。この講演を一部文字起こししたもの/講演動画リンクはこちらから。

* 野呂さんのされているプロジェクト、チェルノブイリからの "転地療養" では「被曝をしてしまった体も保養として一ヶ月安全な場所に疎開すると、体に放射線量が計測されないまでになる」と、これまでの 25年の経験でわかっていると。人の体と免疫ってすごいな。放射線に傷つけられた DNA もきれいな環境によって修復されていくんだ。正常に修復されない場合(ずっと汚染地帯に住み続けた場合)に異常な細胞(ガン)が生まれるということですね。経済的な壁はみんなあるでしょうが、移住できなくとも、今年の夏休みは子どものために、長めに疎開/旅行/帰省した方がいいのかもしれません。前の投稿でも体が受ける被曝は「足し算・引き算」の話をしましたが、これは今大人気(?)の中部大学の武田邦彦教授も言っていました。このチェルノブイリの子どもたちの免疫、発症(症状)についての野呂さんの講演をまとめられたブログがあります。対策や食品についてのまとめも書かれているので、参考になります。

上記の個人の方のブログの他投稿で、食品(体内の傷ついた細胞を直したり解毒したりする酵素、免疫強化、放射性物質から身を守る/影響を受けやすい食べ物、調理方法など)について非常に詳しく書かれています。必読!(放射能対策★食生活編)今まで見た中で一番の情報量のまとめです。そこからもリンクされていますが、チェルノブイリ被爆者団体「ジュノーの会」も放射性物質の排毒について具体的な食品情報を配信しています。

また、首都圏で鼻血や喉の痛み、頭痛、腹痛など、以前はあまり起こしたことにない不調を訴える子どもが増えているという話も。福島の高い放射線量下よりも首都圏のような低線量被曝下の方が、初期症状がでやすい(前出の野呂さんと、ジャーナリストの木下黄太さん談)という認識もあるようで、体内に入った異物を取り除きたい!と体の免疫システムが不調を表に出しているのでは ...とも(わたしは一理あると同意します)。だとしたら、それは病状というよりもサインですよね。この情報と同時に「転地療養」の話を知っていると、パニックにならずに整理がつきます。やはり疎開を真剣に検討すべきときが来ているのかもしれません。参考:低レベルの放射能でも危険はある(ベラルーシの部屋のブログ)。

いつも言うことが同じになってしまうけれど、チェルノブイリという前例があるのだからそれを参考にしながらも、わからないことがこれだけ多い中では、慎重に考えるのが当然。とくに子どもを守るには。それを「心配しすぎ」だの「煽るな」だの言う人もいるかもしれない(幸いまだ直接言われたことはないけれど、ネット上ではよく見かけます)。もしもそう言ってくるひとがいるなら、言い返す言葉は決めている「それがデマや煽りや心配しすぎだったら、どんなにいいだろうね」。何がほんとか、わかったところでもう遅い。わかったとき、つまり大事な人が発病したとき、自分が何も手を打たなかったと後悔したくない。今日も、すべてが「心配しすぎ」であることを願いながら、備えをしようと思うのです。

【 追記 】
Save Child(放射能、汚染、被曝、食品関連の総合情報サイト);多少精査が必要なものもありますが、かなりの量の情報が網羅、まとめられていて参考になります。

【 追記 6/16 】
子どもたちに不調が起き始めているという話は、ネット上ではよく見かけた話で、デマ扱いする人も多かったのですが(わたしもデマとは思っていませんでしたが、アレルギーのある子/ない子のように個人差で、化学物質などに敏感に反応してしまう一部の子に症状がでてしまっているのかな、と理解していました)、今日東京新聞が「原発から 50km 郡山の子ども、大量の鼻血・下痢・倦怠感」と報じました。郡山は避難区域ではないですが、NGO の調査などでかなり深刻な放射線量であることがわかっています。

2011/05/28

続・食べものノート

今日仕入れた情報を。

日本共産党(都議)が独自に都内の環境放射線量を測り、まとめて報告してくれています。それによると、江東区から練馬区を結ぶ線以東の地域は、年間 1mSv 以上の放射線量となっている可能性があると。足立、葛飾、江戸川区などの東部や豊洲周辺に、比較的高線量率の地域が集中しているらしい(マップにもなっています)。別団体が行った都内の公園をメインにした測定結果でも東東京は高めでした。乳幼児、妊婦さんは特に注意した方がよさそうです。シニアの方はいいけど(差別ではなくて、成長期でない人は影響を受けにくいのは確かなので)。。個人的には、福島であれば自身も防護しますが、都内であれば子どもはきちんと気をつけるけれど大人(自分)は多少後回しでもいいという構えかな、今のところ・・・。そう、まだ今は累積(とにかくこれまでの被曝の積算量!)で足し算・引き算ができる期間だと勝手に思っているので、例えば《福島へ数日行った分、数週間九州に行く》とか《空間放射線量が高く風の強い日に屋外に一日中いた分、数日屋内で過ごす》とか《出所不明の野菜を外食で立て続けに食べた分、今週はきちんとした食事を家でする》とか・・・調整をいつも念頭において、焦らないように。「今すぐ影響はない」は東電や政府が言うと憎悪が湧く言葉ですが、間違ってはいないのです。気休めかもしれない、あくまで適当な換算にはなるけれど、とにかく累積の自己管理です。

昨日の繰り返しになりますが、日本全国(特に東日本在住の方は)食べ物に関してはウォッチすべきです。気をつけなかったら何が起こる(かもしれない)のか、放射能が何をもたらす(のかもしれない)のか、イマジネーションと情報の欠如が行動に至らせていないのだと思います(プラス、一番怖い同調性バイアス)。心配し過ぎ、という人もいるでしょう。交通事故などの確率の問題を引き合いに出す人もいますが、誤っているのは、放射性物質の体内蓄積で障害や発病(ガン/白血病)が出てくるかどうかは 0 or 100(100人に1人が運が悪くて起きて、あと99人はセーフ)という問題ではないということ。100人中すべての人が体にダメージを受けてはいるが、障害や発病という形で表れるのが 1人ということで「何 mSv まで浴びなければ安全」なんていうしきい値はない。そしてその身体に表れる問題は簡単に完治するような病ではないということ。わたしはそんなハイリスクな日常で子どもを無防備のままにできない。何があっても悔いがないように究極に気をつけるなら移住でしょうが、どこまで気をつけるかの線引きは自分でしながらも、今は東京でできる限りのケアをしたいと思っています。
牛乳に関しては前投稿にありますが、牛の移動(汚染地域の家畜が日本各地に分散されて、出身地は消え、「移動先」産として売られる)が始まっているようなので、注意です。って注意できなくなってきた。北関東産を避けていても、追手に追いつかれて(?)しまった感が。トレースができないと困りますね。そこまでしないと食っていけない事情も畜産農家さんにもあるのかもしれませんが・・・これは問題。とにかく東電の補償が早く確実に行なわれるように、消費者も自身のこととして声をあげていくべきだと思います。

また、水産庁の海洋汚染調査結果が新たに発表されたようですが、環境 NGO グリーンピースも海洋調査の結果を昨日発表しました。比べるといいと思います。どちらが正しいというより、NGO(特にグリーンピースのような政府や企業から資金援助を受けていない団体)や独立機関から、判断材料としてのセカンドオピニオンが出てくることは本当に大切だと思います。オルタナティブ情報が与えられる限り日本はまだ大丈夫だな、って少し思う。政治的発言するだけで投獄されるような国に比べたら、の話ですが。ああ、ともあれ太平洋側の魚はちょっと厳しいな。江戸前の寿司、もう食べられないのかな・・・。思いっきり三陸沖で漁獲されたものでも出所が水揚げ漁港名(例えば九州)となる場合もあるなど、これもトレースできない問題をはらんでいます。

あれが危ないらしい、という忌避情報の他に、ポジティブに「これがいい/効く」と言い切れるものはないのだけど、いろいろ読んでいて共通しているのは免疫力、「バランスのとれた食事」「洋食より和食」「白米より玄米」とか、そういうどんな病気予防にも共通する、ごく基本が放射能からダメージを受けにくい体をつくってくれるということです。傷を修復してくれるビタミンC も(ダメージを受けた細胞を直してくれるという意味で)効果はあるだろう、とか。小難しいことではなく実はものすごくベーシックなんだな、とひとりで結論づけていた矢先に、生協のお知らせの中にいいまとめがあったので引用しておきます:

【ミネラル豊富な食生活を】原発事故後2ヶ月近く過ぎて、放射性ヨウ素の影響は小さくなっているので、セシウムとストロンチウムについて消費者ができる対応をお応えします。セシウムはカリウムに、ストロンチウムはカルシウムに、それぞ化学的性質がよく似た元素です。カリウムやカルシウムが欠乏していると、セシウムやストロンチウムの吸収率が高まるので、日頃から海草類などミネラルを多く含む、栄養バランスのよい食生活をすることをおすすめします。放射線の害として、一番気になるのは発がん性です。しかし、私たちの身体には、傷ついた細胞を修復したり、がん細胞を微細な段階で排除する免疫機能が備わっています。日常生活で免疫力を高めれば、放射線の害を減らせると期待されます。栄養バランスのとれた食生活、適度な運動、十分な休息、ストレスの発散、禁煙などを心がけましょう。

また、多少かぶりますが、心ある厚生労働医系技官の方のブログからの引用です:

(前略)確実に言えることは、セシウム137 やストロンチウム90 などの放射性物質の影響をもっとも大きく受けるのは子どもたち(特に 5歳未満の小さなこども)です。
 子どもは外で活動します。家の中でじっとしていることはおかしいです。そうなれば、大気中に漂う、あるいは土壌から舞い上がるセシウム137 を吸い込む可能性が、大人に比べて高いと言えます。
 また、子どもは体内の水分比率が大人より大ですから、身体の水分に溶け込むセシウムの割合も、必然的に大人より高くなります。
 また、子どもは、大人より、牛乳をのむ機会が多いのが一般的です。となれば、ストロンチウム90 の内部被ばくにさらされる機会も多い、と考えられます。
 しかしながら、放射線は遺伝子であるDNAを傷つけることが分かっています。傷つけられたDNAが正常に修復されない場合、異常な細胞が産生されてゆきます。こうして生じるのが「がん化」です。
 ヨード131 を除いて、ある特定の核種が、特定のがんを特異的に引き起こす事が多い、と言うことは証明されていません。しかし、放射線の一般的な特性を考えれば、どの核種による被ばくにおいても、将来のがん発生の可能性を考えることは、当然のことと言えます。
 がん化には、10年から20年以上が必要だといわれます。子どもたちは成長の過程にありますから、それだけDNA複製も活発に行われます。つまり、放射線の影響を受ける機会も大人より多いわけです。また、平均余命を考えれば、将来、子どもたちが、がんに罹る確率も高くなります。(後略)

ストイックな食のルールに聞こえるかもしれませんが、大人は多少は緩くていいと思っています(「もう俺は好きな酒飲んで死ねればいいんだバカヤロー」みたいなおっさん糖尿病患者みたいに、好きなもの食って被曝したって歳の数が多ければ多いほどいいんです)。でも子どもはね、大人が気をつけてあげてください。今一番無防備でありながら、これからいっぱい生きるんだから・・・。

*セイピースプロジェクトというNPO が「放射線被爆から子どもを守るために」というブックレットをPDF で配布しています。厚生省が出したムナクソ悪いやつより数倍きちんとした情報がまとめられています。今日はこれをご紹介して終わりにします。

【 5/29 追記 】
ご参考まで。小売店情報「被曝食材を避ける・危ないスーパーの見分け方」。仕入れのラインナップでスーパーのスタンスって結構分かりやすいと思う。うちの近所では西友に軍配。主婦の目はごまかせないぞよ。

2011/05/25

日々是被ばく(食べもの)

エネルギーシフト(原発から自然エネルギーへ)を推す活動に先月は力を注いでいたけれど、今そこから一歩離れている自分に気づきました。それも大事だけれど、今は子どもの健康と命に関わる問題が第一。福島の学校 20mSv のことや、すでに被曝の症状がからだに現れている子(目の下のクマや下痢、アレルギー症状の悪化など)が福島や茨城で出てきているとか、北関東では福島産の牛乳や野菜を使った給食を食べさせられている(学校が親の申し入れを聞かず避けられない)という話を聞くと、福島は本当に深刻で東京での憂慮とは比べ物にならない・・・と申し訳なく思う一方、もちろん自分の子どもや地域も心配なわけです。行政や学校に任せていては子どもたちの低線量被曝がじわじわと進んでしまう − 子どもを守るために、福島のみならず、日本各地で一部のお母さんたちが積極的に動き始めました。うちの住まいの近く(東京武蔵野エリア周辺)でも、意識の高いお母さんたちが個人やグループで小学校や幼稚園、保育園へ土壌(校庭、園庭や砂場)の放射線量調査及び改良や、給食の原材料について要請をする動きが出ています。ガイガーカウンターを購入している一般の親たちもいます。

福島では大気の空間放射線量、土壌へ積もっている量、農作物の汚染とすべて高い放射線数値ですが、首都圏(いくつかあるとされるホットスポットを除く)での主な心配は内部被曝です。空間放射線量はうちの周辺では 0.1uSv 弱が最近の平均値なので、風向きを見て北からの風が来る日は少し注視しますが、個人的にはあまり気にしていません(今後新たな爆発がなければ都内で劇的に高くなることはないはずです)。要の内部被曝は主に食べ物からと、土に積もっている土壌の放射性物質から。特に子どもは土いじり・砂遊びが好きなので、洗わない手を口に持っていって(やるんですよねー)体内に入る、あるいは背が低いので地面から舞う土ぼこりも吸うという経路もあります(放射線量のモニタリングポストは地上 1メートル以上に設置されている場合がほとんどなので、行動している親たちは子どもに近い地表の放射線の数値を求めています)。学校や幼稚園の庭の土壌の表面入れ換えが行われる/行われたという話は結構聞くようになってきました。内部被曝については、毎日必ず食べる食べ物や水の方が注意が必要だと思います。

原発事故後、国内の食品は WHO基準の何十倍もゆるい基準となっていて、それが「基準を下回り安全」といわれて流通しています。学校の給食の原材料もこの基準です。外食もそう思うと何が使われているかわかりません。かふぇでラテひとつ頼んだって「このミルク、どこ産だろ・・・」ああ、こんな小さな幸せまで原発に奪われてたまるかいっ!(怒)。といっても、わたしもそんなに細かく気にしているわけでなく、自分ルールをこれでも緩く設けているつもりです(今始まったばかりの汚染であって、これから食物連鎖で何年も何十年も続くわけで、長期戦なので、こちらも長く続けられるようにと)。これから数十年単位で放射能と共存しなければならないんですよ、日本は。しかしながら今、食品の選択肢は、さすが飽食日本、贅沢なほどあります。避けようと思えばいくらでも避けられるけれど、チェルノブイリ事故時のウクライナはとても貧しく、汚染されているとわかっていても近隣の食べ物を食べなくてはならなかった・・・その結果たくさんの子どもがのちに発ガンしたりしたのです。ネットショッピングで西日本の食品も買える今の日本。今日、カルディ(輸入食品を扱う店)の狭苦しい通路で、当時のチェルノブイリや福島のことを思って立ち尽くす・・・申し訳ない。こんな近所に、こんなにたくさん、世界の食べ物が安価であるってことが。グローバリゼーションをこんな形でありがたく思う日が来るとは。

少なくとも家での食事では自分で購入する限りは気をつけようがあります。Twitter のおかげで本当に驚くほど多くの食べ物の放射能汚染に関する情報、各食品メーカーのスタンスなどを知ることができました。精査が必要だとも思っているので、自分でまとめようと思ったのですが、時間がなく(できれば早めにやりたい)・・・参考サイトのリンク列記しますが、あくまで「参考」にして自分で判断するという構えで見ることをおすすめします。

 *結果のみならず、「情報の読み方」についても学べます。必読。
 *さすが大地。
 *よい図。キャベツについてはやや誤りがあるようです。
 *かなり質の高い情報です。


ここで;食べ物はそれぞれ基準値が異なるわけですが、その数値と注を書き出しておきます。(ベクレル= Bq)

【 水の基準値(日本と他の比較)】リットルあたり
 日本の暫定基準値 . . . 300 Bq(乳幼児は 100 Bq)
 WHO基準 . . . 10 Bq(ヨウ素131 , セシウム137 とも)
 ドイツガス水道協会 . . . 0.5 Bq
 アメリカの法令基準 . . . 0.111 Bq

★ 日本は飲料の放射線量基準値がなく、3/16まではWHO の基準相当を守っていた。
★ 水の基準は 300 Bq ということは市販の水を使った清涼飲料水、お茶はすべてこの基準で生産されている。

【 食品の基準値(日本の暫定基準値 3/17 以降)】キロあたり
 牛乳、乳製品 . . . 300 Bq
 根菜やイモ類を除く野菜類 . . . 2000 Bq(ヨウ素)
                200 Bq(セシウム)
 穀類、肉類、卵、その他野菜類 . . . 500 Bq
 魚介類 . . . 2000 Bq(ヨウ素)500 Bq(セシウム)

★ 原子力安全委員会「飲食物の摂取制限に関する指標」(=厚生省規制値)より。魚介類のヨウ素規制値は 4/5 に追加発表された。
★ 1年間の内部被曝の許容量をセシウムが 5mSv、ヨウ素が甲状腺に対し 50mSv とするもので、これから年間飲食量を逆算して基準値を決定。


その基準とやらの何倍、何十倍もの放射線量を持つ野菜や魚が見つかっています。原子力安全委員会がつくった基準というだけで、個人的にはもう信用できない感じだし、どのように検査されてパスされているかのフローが不透明・・・。スーパーの野菜にそれが正しく何ベクレルか記載されて消費者が選べるなんてのは夢のような話でしょう。この不透明感がまさに「風評被害」を生んでいる・・・本当は買いたいよ、福島産。・・・ということで、わたしは自分の決めたルールを優先しています。「基準」が暫定=高めで、よくわからない上に、「基準以下」とされていても 500 の基準であるなら 490でパスしたものか、20 でパスしたものかもわからない。それが同じにされているわけです。福島の農家だってほとんどが良心的な方々で(「百姓の誇り」と仰っていた方もいるけれど)、泣く泣くつくられた野菜を廃棄して、東電の賠償を待っているんだと思います(絶対きちんとやれよ!東電!)。余った野菜を自分たちで食べられているという話も聞きました・・・。いつも福島産、茨城産を避ける度に心中で「ごめんなさい」と言う。地震・津波だけだったなら、被災地の野菜を進んで買うだろうに・・・。申し訳なく思いながらも、うちでは北関東の野菜と牛乳、乳製品、魚介、きのこは避けているのが現状です。牛乳は九州のものを選ぶか取り寄せ、入手できないときは豆乳にしています。水は濾過式の浄水ポットとミネラルウォーターを半々くらい。

心配しすぎといわれようと「予防原則」を通します。少なくとも子どもには。このスタンスを外で主張しすぎると(意識をあまりされていないお母さんも多いわけで)変に思われたり、「運動」となると引かれたりするので、小社会を巻き込もうと思うと一筋縄ではいきません。他の子だって守りたいが、とりあえずは自分の子だと。今回この原発事故以降からこの問題に声をあげ始めた方は、さっそくその「無関心層と自分」「マイノリティは変人扱い」の壁にぶつかっているようですが・・・(今まで放射能は危ないとずっと言い続けて無下にされてきた人たちは、今さら痛くもかゆくもないわけです。わたしも含め)。浮いてばかりもいられないし、対・無関心層にしろ対・学校にしろとにかく対話だ(敵対でなく)、と導き出されたお母さんもいました。そう、すべてはそうです。牛乳がマストな給食問題は結構大変なようですが、お弁当持参という「特例」を勝ち取ったお母さんも多く、学校としては一部の希望を出してきた家庭への例外は比較的簡単に許せるが、全体のルーティンは崩さない(牛乳は出す、福島産であっても)という感じ・・・そう、それが学校。それが文科省。厚生省。私立はやはり柔軟なようですが。あと、まだ都道府県レベルで規制として動いていないわけなので、自治体(市や区)が判断を求められているところもあって、市区によって理解があったり、突っぱねたり、結構対応が異なるのも、なんというか・・・対応が悪い区はみんなで一生覚えておきましょう。

残留農薬の摂取量の基準値は、通常1日摂取許容量の 1/100以下だそうです。放射線量の基準値が健康被害が確認される値の 1/5 って・・・。やはりわたしらは疫学研究の「サンプル」ですかね?

原子炉が3つ(!!)メルトダウンしてたって、しれっとニュースは伝えただけ。子どもが被爆したってたいしたことない昨今なのかな。この国は少子化対策とかいって大臣まで設けていたはず。明らかに子どもが健やかに暮らせず、赤ちゃんも安心して産めない国で、子どもを育てようなんて誰が思うだろう。大人の判断や決断で、子どもたちの未来がどうかこれ以上潰されませんように。