食べ物の放射能汚染の影響を気にしているかどうか?というと、気にしているという層の方が多いようなことをどこかで聞いたけれど、いまだ放射能の話はタブーなところがある気がします。まったくおかしな話だけれど。気にしていない人が必ずしも原発推進派というようなことはないし、様々な理由があるのだろうけど、ここで原発反対/推進の二極の構図のように、「気にしている人/いない人」で相容れないままパラレルで進むのも不毛なことだと思います。これには「科学的/非科学的」な対立も関わってくるのですが(これに関しては多く書くことがあるので)近いうち投稿するとして、ここでは、最近の食べ物と汚染の情報についてまとめます。

海外では日本からの輸入品は厳しい放射線量の規制値が設けられ、国内に入らないようにはじかれているそうです。半年経ったいまも、呆れるほど高い暫定基準値はまだあのまま。いつまで「暫定」なんでしょうか(参考:「まったく安全ではない食品の暫定基準値と内部被曝」)。未検出が多いのはいいことだけれど、検査システムはもちろんサンプル調査であって全量調査ではないわけで、行政の検査体制は疑問が残ります(参考:検出・不検出のしくみ/市民調査団体で検出続出、福島県発表は不検出)。加えて、たまに後出しで公表されてくる「こんなに入っちゃってましたー。給食にも混ざっちゃってましたー。」は、ああそうでしたか、で済まされる話ではありません。セシウムで牛肉が一気に注目されましたが、牛肉だけであるはずがなく、最近では新米の流通が始まった米や、野菜などに比べて検査がザルである魚介類、放射性物質を多く取り込みやすいキノコ(主に野生の)などが、とりわけ注意すべきと言われています。米に関しては、汚染度の高い米とそうでない米がブレンドされて出荷されたり、福島や宮城産の米を他県産の米袋へ詰め替えて売られているとかいないとか。魚についても、パッケージの産地記載があいまいにされていたり、(漁獲地ではない)水揚げ港表記の場合があったり、生体濃縮(食物連鎖の影響で魚の体内で放射性物質が蓄積・濃縮される)の問題もあります。あと、わたしが素人ながらに思うのが、チェルノブイリは内陸だったので淡水魚の汚染の資料はあるけれど、これだけ大量に広範囲に空から(フォールアウト)陸から(汚染水海洋投棄)放射性物質が海に注いだことは例がないので、本当に前代未聞。海流がどうの希釈(薄まる)がどうのと読んでみたところでつまりは「こんなこと起きたことないからわかんない!」わけで・・・そこがこわいですよね。ああ、寿司がはるか彼方に行ってしまいました(遠い目)。また、核種もはたしてセシウムだけなのかという懸念もあります。
ま、そういうわけで、引き続き食べ物は「念のため」警戒モードだと思うのです。サバイバルのための食材調達情報は:
・OK フードまとめ(汚染の少ないと考えられる食品リスト)
・セーフ・フードマーケット(産地の原発からの距離や空間線量がわかる)
* 含有するベクレルではない
・製造所固有番号調べ(生産された工場がわかる)
その他 関連情報:
・野菜の作付けと汚染について
また、一部の生協(パルシステムなど)や大地を守る会といった宅配業者が頑張って自主検査の項目数を増やしたり、西日本の食材を積極的に集めてくれたりと、意識の高さが見受けられて頼もしいのですが、小売店では独自のポリシーを打ち出すことは難しいようです。わたしの住まいの近くでは、成城石井や紀伊国屋、ナチュラルハウスといったややお高めのスーパーだと、食材の産地が意識されて関西以西になっている傾向があったり、元々輸入食材やオーガニックフードの品揃えを誇っている小売店でもあるので、助かっています。九州や四国のアンテナショップを利用することも増えましたが、比較的割高です。これを考えるといつも、そのうち、消費者の「被曝格差」が所得によって出てきてしまうのではと心配になります。所得の高い家庭はより安全な食材を選べるために内部被曝が避けられ、所得の低い家庭は汚染の懸念がある安価な食材を買わざるをえない、というように。うちもエンゲル係数が記録的に跳ね上がって、厳しい状況ですが、こればかりは出し惜しむわけにはいかないと思っています。このかさむ出費を東電に請求したい・・・くそー。
企業の CSR(社会的責任)という観点を考えれば、卸しも小売りも安全な食品を責任を持って仕入れ、販売することは当たり前なわけで、そこを「当然のことしろ!」と消費者がもっとつついていいのだと思います。食品企業、外食産業、小売店の放射能対策についてのある調査では、多くの企業が政府まかせで後ろ向きの情報公開姿勢であったと。でも、厳密な値まで測れる放射能測定器を購入したり、原料の産地を変えたりと、やっているところはやっている。議員の選挙と同じで、こういった各姿勢を消費者がよく覚えておいて、ダメな企業は注文をつけるなり、意見するなり、ボイコットするなりして、動いてもらえるようにすべきです。そしてよい企業にも、褒めて感謝の声を届ける。消費者の声が一番の圧力だと思います。
・食品企業の放射能対策、主要 35社アンケート(東洋経済オンラインより/p.5 に食品企業、p.6 に小売店一覧が掲載)
先日、3.11 から半年の節目に思い出したことばがありました。出典を忘れてしまったのだけど、どこかで読んだチェルノブイリを振り返るヨーロッパの女性の発言を最後に紹介します。
「はじめのうちは汚染された食べ物は摂らないように一生懸命気をつけていたのです。でも半年後、1年後、汚染度がますます激しくなったにも関わらず、それを口にしてしまう・・・放射能汚染の恐ろしさは、人間の注意力や忍耐の限度を超えたところにある。」
これは「放射能」自体との長期戦なのではなく、自分自身のメンタルとの闘いでもあるのだと痛感したのでした。負担にならないように緊張感を継続させるというのはひとりでは難しい。だれか同じ価値観を共有できる家族や仲間といっしょに、目標(子どもをまもり抜く!など)を堅く持って進むことが、突破のキーかもしれません。
【 追記 9/19 】
★ 必読 ★ 毎日外食するとどうなるか? たまに汚染食品を食べても大丈夫か? ND レベルの汚染食品を毎日食べ続けるとどうなるか? などのシュミレーション:「放射線衛生研究」。蓄積の意味がわかります。放射線を研究している方によるもので「暫定基準値の甘さをバンダジェフスキー博士の研究におけるセシウムの毒性に照らし合わせ、非常にリアルに計算している」と識者からも RT されていましたので、参考にできるかと思います。気が引き締まるな・・・。
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