自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2012/05/07

Fair Trade, Fair Energy!

昨日につづき、もうひとつ、Tシャツのお知らせ。

先日、フェアトレードPeople Tree と国際環境 NGO のグリーンピースのコラボ Tシャツをデザインさせてもらいました。ただ今発売中です!

この企画は、People Tree がグリーンピースが提唱する「自然エネルギー革命シナリオ」に賛同して実現したもの。自然エネルギーへのシフトと節電などのエネルギー効率化によって、原発を止めても電力をまかなうことが可能な社会にしようと呼びかけるための 2つのメッセージ "Fair Trade, Fair Energy" / "Nuclear Free Japan" がついたオーガニックコットンTシャツです。原発のように一部の地域(の人々の生活と労働環境)に危険を押しつけない自然エネルギーは、公平なエネルギーといえます。地球環境にとっても負荷が少なく、そういった意味で次世代と今のわたしたちの関係性を考えても、サステナブル(持続可能)な自然エネルギーは Fair Energy! (オレンジの方:風車と手紡ぎの糸車(フェアトレードの象徴ともいえるカディ)のモチーフ)。もうひとつ、グリーンの Nuclear Free Japan の方はまさに2日前に達成した、原発依存からの脱却(解放)、原発ゼロになったぜ日本!!そしてそれはわたしたちの手によって達成されたものだぞ!ということで、みんなでコンセント引っこ抜くの図。描いたあとに、「あ、これ日本列島の形になってるな・・・しかも(最後に止まった)泊原発のある北海道部分にコンセントの穴がっ!」という衝撃の偶然!これはもう最初からそう意図してたんですよ、と言っちゃうしかない。と・・・そんな感じでできております。

この Tシャツ(ユニセックス XS 〜 L サイズ)は 5月12日の世界フェアトレードデーを中心に今月のフェアトレード月間中、販売されます(ご購入はこちらから ☞ People Tree オンラインショップ:グリーン Nuclear Free Japanオレンジ Fair Trade, Fair Energy 、または直営店でも)。価格は 1500円で、インドのオーガニックコットン 100% 。耳の不自由な女性や貧困家庭の女性に雇用を提供しているフェアトレード生産者団体「アシシ・ガーメンツ」で縫製されたものです。

フェアトレードは衣料や雑貨などの工芸品だけでなく食品などでも徐々に一般的になってきましたが、People Tree は国内でフェアトレードの先がけともいえる存在(日本だけでなく UK でも展開)で、クオリティだけでなくファッションとしてのデザインも優れているので、10年ほど前から好んでよく購入していました。以前オーガニックコットンの赤ちゃん用ビブのデザインコンペでも最終選考に選んでいただいたり、以前からもろもろつながりがあったので、今回のご縁は嬉しい限りでした。

ちなみにですが、密かに(って言っちゃったらもう密かでないんだけど)Nuclear Free Japan の「ひとびとの手」はベン・シャーンへのオマージュです。わたくしなんぞが僭越ながら。水爆実験で被曝した第五福竜丸についての絵本「ここが家だ」の挿絵で有名なベン・シャーン。今年のはじめに神奈川県立近代美術館で大規模な回顧展「ベン・シャーン/クロスメディア・アーティスト」があり、見てきました(このこともずっと書きたかったのだけど書けずに5月だよ。近いうちにまとめたい・・・)。社会問題を提起する作品をつくり続け「社会派リアリズムの画家」と呼ばれた彼の描く「手」。それは人々のプロテストの象徴としての力強さだったり、人間の弱さだったり、理不尽な世界への怒りや哀しみだったり、人への優しさだったりします。今回の、コンセントを引き抜く手たちには、そこまでの感情は含められなかったけれど、とにかくみんなで原子力の電気との決別を果たした(果たす)のだということが表現できればと思いました。
(ベン・シャーンの「手」たち)

関連リンク:
(グリーンピース・ジャパンのプレスリリース)

原発ゼロの日がきた

昨晩(5月5日)夜11時過ぎに北海道の泊原発3号基が定期検査のために停止し、国内で稼働している原発はひとつもなくなりました。ひとまず祝。

昨日は、5.5原発ゼロ「さようなら原発1000万人アクション」の集会とパレードが芝公園であり、約5000人が集まりました(参考:ワシントンポストが報じた写真)。行きたかったけれど、あまりの青空と暖かい日差しの晴天に、洗濯物をしてまったりしていたらあっという間にお昼過ぎ。子どもの日だけに、今日は子どもとゆっくりのんびり過ごすのもいいか(「原発ゼロかぁ」としみじみ味わいながら!)と思い、サンドイッチをつくって近くの公園へ。若葉やありんこを眺めたり、なんとも平和な午後を満喫してみました。泊原発が止まる夜中に向けてのカウントダウンパーティーも夕方に都内でいくつか行われていたようで、これも気になっていたのだけど、公園の帰りにコンビニで東京新聞*を買って家路に。(*昨年半ば頃から東京新聞は脱原発支持に論調を固め、一貫して真っ当な記事を書いてくれています。対して朝日と毎日はどっちつかずだけれどまだよい方で、産経、日経、読売は原発推進にもなれない "対抗馬としての役割を果たすべく「反・反原発と構える俺ら」アピール記事" みたいな・・・稚拙すぎてよくわかりません。)


この記念すべき東京新聞をじっくり読んだあとは(昨日宣言したとおり)これで「原発ゼロかぶと」を折ってみた。これを持っていざ、今日は脱原発杉並の原発ゼロ祝賀デモへ。

しかしながら、有象無象のマーチングバンドとピエロが躍り出たデモ出発のそのときに、天気が一転!大粒のスコールのような雨が振り出し、かぶとは一気にヨレヨレに(しょぼーん)。雨具もなく(あっても雨具が役立たないほどの雨だったけど)濡れた肩から寒さがじわじわと・・・それでも雨宿りを繰り返しながら、子どもをひっぱりつつ雨の弱まった間に歩きました。一時、ゲリラ豪雨みたいな数分があったかと思うと、小指の先ほどのひょうが地面や壁を叩きつけ始め「ここは一体どこなん?!」。ある意味、思い出深いデモにはなったけども。(ちなみに、都内では小さなひょうでしたが、今日竜巻の被害もあった茨城の方ではゴルフボール大のひょうが降ったとか。天変地異な感じですね・・・原発止まったから?)

さてさて。電気足りなくなるぞ!の電力会社側の言い値(ウソ)での脅しや、経済停滞すんぞ!の柔軟性のない保守な価値観(解決策の前に「ただ今まで通り」を保持したい or 利権)や、停電して自宅で医療機器使ってる方たちが死ぬぞ!の極論(これまた解決策を「原発を動かす」のみに設定して)などなど、どーしても再稼働させたい派は一旦ちょっと置いといて。この原発ゼロの祝賀に対して、原発は予定通りただ定期検査で止まったんだ(おまえらが止めたんじゃない)とか、止まったって危険性は変わらないだろうとか、言う方たちもいます。そう、原発が止まったのは自らのトラブル、事故や、定期検査によるものです。だけども、その検査が終わってすぐに動かされようとしていた炉もありましたが、「安全性を懸念する声」によって流れました。何を隠そう、その声は、それを阻止した圧力は、わたしたち市民によるものです。311以降の14ヶ月間、止むことなく日本全国のどこかで毎週行われていたデモや抗議行動によるものだと、わたしは思います。

再稼働をすすめる動きはこれからが本格化していきます。わたしたちも気を緩めてはいません。決意を新たに。日本中(ついには世界中)の原発が、一時的にでなく永遠にゼロになる日を目指して。「子どもの日」は、子どもたちのために大人たちが何ができるかを考える日なのかもしれません。少なくとも、今年の子どもの日はそうだったかな(だといいな)。

*おまけ* この記念日にと、Tシャツをつくって子どもにプレゼントしました(脱原発 no nukes 仕様パタゴニア風)。さっそく雨でびしょ濡れになっちゃったけどね。
原画 ↓
【 5/8 追記 】
龍やら巨大グリーン鯉のぼりやら、有象無象いろいろ入り乱れてました。杉並デモの写真(1)写真ルポ【祝!原発ゼロ 脱原発杉並+原発やめろデモ】(2)脱原発スモールアクション)。

2012/05/02

原発ゼロの日がくる

先週の日曜日、4/29 に 反原発 twitter デモがいつもの渋谷であり、子どもと行きました。何回目のデモだったのだろう。もう忘れちゃったな。twitter デモはその日で一周年だったようで、もんじゅくんも飛び入り参加して(!)1000人超。いつものように、ただただ一心に「原発いらない/やめよう」とコールをあげる強さのあるデモでした。それに加えて「あと1基!(で国内の稼働原発ゼロ)」のコールも。この、あと数日で稼働原発がゼロになるというタイミングもあってか(プラス、twitter デモがこれから少しだけお休みになるというような話もちらっと聞いたのでそれもあるのか)いつも以上にスピリットの感じられる、響くデモだったように思います。うちの子もなんだかいつもにないほど声を張りあげていました・・・「さいかど〜う はんたいっ」。

( ↓ あ、これ、もんじゅくん。大人気。)

5月5日のこどもの日に、北海道の泊原発3号基が定期検査で停止し、国内 50基(54基でしたが福島の4基が正式に廃炉となったため)すべての原発が止まります。ゼロにならなくても、1基しか動いていない今現在でも、原発がなくても電気が足りてしまっていることは明らかになっているわけですが、それが決定的になります。実に 46年ぶりに、日本でひとつも原発が動いていない日が来ます。46年間も原発漬けだった、わたしたち。国内外にあれだけの犠牲を出した(出している)世界的な大事故にならなければ、止められることができなかった原発。本当は 1999年の東海村JCO臨界事故でだって脱原発に舵を切ってもいいくらいの凄惨な事故だったし、その前後にもたくさん中小の事故がコンスタントにあってそれを電力会社が隠蔽していたことだって報道されていたのに、忘れたり見過ごして追求を放棄してきた大人たち・・・。象徴的に、未来を担う子どもたちのための「こどもの日」に、原発がゼロになります。その脱原発に象徴的な日となることを避けようと、先月福井県の大飯原発の再稼働が拙速に粛々と進められていましたが、市民の猛抗議もあり、5月5日前に押し通されることはありませんでした(時期がズレただけで、まだ油断はまったくならないのだけど)。

そう、一時的に一度ゼロとなっても安全を軽視した "再稼働ありき" の再稼働の強行は今後もあるわけで、まだゴールも遠いのですが、一回祝っとこ!もう再稼働なんて言わせないくらい大げさに祝っとこ!みんなに原発ゼロを知らしめよう!という「祝!原発ゼロ パレード」が 5月6日に杉並であります。前回 2月のデモも、有象無象と名乗るだけあって、カオスとはじけ方が尋常でなかった杉並デモ。期待できそうです。
「この 1年間、怒りに満ちたデモがたくさんあった。政府や電力会社に要求を突きつける抗議行動もたくさんあった。このすがすがしい原発ゼロ!を、そんな数多くのデモや行動も成果とみなしてもいいんじゃないか。その喜びをみんなでいっしょに歩いて分かち合いたい -(略)全50基を廃炉に追い込むまで、しぶとく、しつこく訴え続けていかなければなりません。この喜びの日は、新たな決意の日でもあるのです。」(脱原発杉並デモ呼びかけ文より)
合意!さすがわたしが10年住んだ第二の故郷(勝手に)杉並やね。さすが民権運動盛んなリベラル中央線カルチャー。すてき。わたしは好きです(断言)。行きます。

5月5日の当日にも「さようなら原発 1000万人アクション」の方でイベントとパレードがあります。こちらは芝公園から。こどもの日ということで、緑の鯉のぼりがモチーフ/デモに持っていくアイテムのひとつになっています。これもよいのだけど、個人的に考えたのは「脱原発かぶと」はどうかなと。あの、新聞で折る大型かぶと。脱原発の論調の東京新聞でゼヒ折るべし。

ちなみに、先日の twitter デモの前に(同日に同じ代々木エリアで)レインボープライド(LGBTパレード)があってそれにもサポートのために(見学だけだけど)出向きました。少し小規模だった気がするけど盛り上がってた!そこで勢いもらって次のデモへ。うちの子はたぶんサーカスか何かだと思ってたかも・・・連れ回してしまいましたが、ま、この日は多様性と市民運動の社会勉強ということで。さすがにデモはしごは夜には母子ともにぐったりでした。よく歩いた!

さ、5日まで、カウントダウンです。