自分はお世話になったことはないけれど、空港で "lost and found" を見かけるたびに、英語ってシンプルだなと頷いてしまう。「遺失物取扱所」と言われるよりなんだか lost and found だと、なくしちゃったけど見つかる感じもしませんか。

人間は忘却の生き物です。忘れないと新しいことを覚えられないという許容量の問題だけでなく、意図して忘れ去りたいことも多い。忘れたくない、忘れてはいけないこともたくさんある。ここは忘れっぽい自身の日々の「公共備忘録」です。また、立ち寄ってくれた方たちがここで何か発見をして、喜んだり怒ったり哀しんだり笑ったりしてもらえれば幸いです。

《 NOTICE 》ちなみに今はもっぱら脱原発ブログとして展開中であります

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2011/12/21

しばし旅へ

一週間前に手に入れた NO NUKES の CD ... FROM THE MUSE CONCERTS FOR A NON-NUCLEAR FUTURE ... "MUSE" というのはMusician's United for Safe Energy の略。1979年のスリーマイル島の原発事故のあとに、NY の Madison Square Garden でミュージシャンたちが集い、開催された反原発のコンサート。LP で見かけてずっと探していたのだけど、あっさりCD であった。出演者や中身などはこちらのとある方のブログに詳しいです。やはりGil Scott-Heron がすさまじくかっこええ。我が家では追悼の意もあり、先月あたりに持っていなかった Gil のCD をディスクユニオンで見つけただけ買い占めて、ほぼ毎日フル回転で回っています。


で、何週間か Gil ばっかり聴きながら仕事の締め切りに追われたり、師走なだけにかなりバタバタと走り回って過ごしていました。うわさによるとあと今年もあと10日とか。いやはや。

311以降、わたしの中ではまったく違う世の中になりました。これから生きていくのに何が大切なのかを真っ正面から考えたり選択しなければならない状況になりました。福島の高線量下にお住まいの方々に比べたら、津波で大切な人を亡くされた方々に比べたら、本当に恵まれた環境だと感じない日はないけれど、311を境に、これまでにない望まない変化がもたらされたことは同じです。来年はどんな年になるでしょうか。日本にいないかな。そろそろ思いを馳せなくてはいけないけれど、そんな気にもなれない。

あの日以降、「放射能と原発」から1日足りとも離れた日はありませんでした。本当に1日も。よく気が狂わなかったと自分でも関心するけど、子どもが心配なだけで活動自体は別に嫌々ではないし、仕事もプライベートもベクトルが一緒なのでライフワークみたいなもの。今でも士気は高いままです。睡眠と貯金は減ったけれど、たくさんの調べもののおかげで知識は増えました。それに新しい仲間も(多くの新しい出会いが唯一ポジティブなことかも)。あと増えたのはなに?飛んだマイル数とシミと被曝量?やだなそれ。

最後に、その9ヶ月コンスタントに続いていた放射能と原発漬けのルーティンを覆して、1年を終わろうかと思います。わたしの家族が、おそらくその長々と続いた狂った日常からわたしを切り離してあげようと思ってくれての企画だと思うのだけど・・・2週間ほど旅に出ます。今あたまの中にある事柄から離れたい逃避ではなくて、抱えているものといっしょに仲よく行くつもり。がらっと状況が変わって何かまた新しい気持ちが芽生えるかな。追ってここでご報告ができればと思います。まだここに書こうと思っていて書けていないこともたくさんあるのだけど、来年に持ち越し。

毎度のことですが、あと数時間で空港に行かないといけないのにパッキングが終わっていない(Gil を聴きながらやるとどうも焦ることができない)・・・そろそろ焦ろうと思うのでこの辺で。みなさま、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

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